首題について、これまで長く検証を行っておりましたが、ようやく確度の高い分析手法に辿り着きつつあります。
今日は、例題として6273SMCを取り上げてみたいと思います。もちろん、他の銘柄でもかなりの確度でその有効性が確認された方法です。
1.まず、基本的に抑えるべき点は、過去30日間の高値を見ます。(30日壁)このSMCは、68500円というのがそれに相当します。8月16日に前日から切り上がった数字となります。これを過去30日の壁として認識します。この壁が9月22日現在も続いております。
2.この壁が時に上に切り上がったり、下に切り下がったりする節目の日があります。SMCの68500円という壁は、8月16日に発生しました。前日の安値を抜けなかった日です。前日までの30日壁は65870円でした。
3.最初に着目すべき点は、65870円が68500円に1日で変化したことです。この場合は、上方へと2700円ほど切り上がっております。その前は8月2日に65410円でしたから、そこからは3090円もの切り上がり方になります。(以後、SMCは下げ基調になると想定できます。)
4.この動きで注目すべき点は、この切り上がり過程で8月15日に69400円の高値をマークしていることです。つまり、この時の高値に近い水準で仕込んだ方々の投げが終わるまでは、下落基調が続くということになります。(これは1種の想定ですので、銘柄によっては、更に上昇を重ねて天まで昇るケースはありますので、そこはご注意下さい。)
5.上記の過去データから言えることは、株価は基本的には上がりすぎたものは、下げ調整が入りやすいということです。従って、30日壁が切り上がっている8月16日のSMCの株価は、どこかで調整があるということが想定されます。
6.さて、68500円に切り上がって現在まで続いている30日壁は、下げ基調となる筈という想定を立てます。これはこの間の分析でかなりの確度で言えます。その際の判断に、筆者が重点的に見ているOSC(究極のオシレータ)の推移を見ます。
7.SMCの8月16日のOSCは65%でした。翌17日には68%に上がりましたが、これは、いわゆる上げの残り火のせいだと考えられます。そこで、OSCがその日に上げた68%という数字と比べるのは、前日のOSCではなくて前々日のOSCとしました。(ここは筆者の経験から来る工夫)これで、残り火のノイズを除去できるケースが多い。
8.17日のOSCの68%は、前々日のOSCの72%よりもアンダーでした。これで下げ基調に入ったと判断するのはまだ早計で、今回筆者が更に念をおして見るようにした指標は、同じ前々日の指標から、VR改が下げていること、9日のRSIも下げていること、そして売られすぎサインが点灯していないこと、そして30日壁が切り上がっているか変化がないこと、この5つです。
9.17日段階でのSMCは、9日RSIのみ上げていたので、売りサインは点灯しておりませんでした。しかし、そのRSIの上昇も+5%程度でしたので、そこは誤差の範囲だったかも知れません。(仮にここで売建てをしていると、68560円となります。)
10.翌8月18日は日経平均が下げた日でしたが、この株は何と1000円近くも下げて寄り付いております。ここから先はOSCの動きだけを見ていきます。18日から29日までは、ほぼ一直線に下落しております。(1日前のOSCと当日のOSCを比べるのがポイントです。)
11.8月30日はさすがにここまで押された反動からか、26日のOSC51%を4%超えて2020円高で終了しております。
12.この日、30日のOSCが前々日の26日のOSC(51%)を超えることが確定した段階で「買い戻し」となります。売建て値が68560円でしたので、終値で買い戻したとして66640円ですから、1920円のプラスとなります。
13.ここから先も、30日壁の値がそのままである限り、OSCのトレンドをウォッチします。8月30日のOSCが55%でした。翌日は-40円での終値引けでしたが、OSCは+1%の56%とコンバージェンスしております。この先はどうなるかは地合い次第です。OSCの50%超えで強気相場になる時もあれば、失速する場合もあります。今回は9月5日まではOSCが50%台で推移。6日にOSCが46%まで落とされておりますが、これは8月26日のそれとほぼ同じ。売られすぎサインも点灯。いよいよ反転攻勢があるかどうかの見極め段階となります。
14.翌9月7日に一旦64240円の安値まで落とされますが、その後の復活が激しく、OSCも2日前の水準まで戻しております。この際に注目すべきは、再度8項の5つのポイントです。まず、OSCはほぼ上昇。短期RSIも上昇、VR改も上昇。売られすぎサインは消灯。30日壁だけは68500円のままで切り下がっていませんでした。(切り下がっていると、更に盤石の買いサインとなります。)
15.上述の4つのポイントをクリヤーし、30日壁はそのままキープしておりましたので、翌9月8日は前日の安値が割れないのを確認しての買い出動となります。終値で買っても67260円でした。
16.9月9日にOSCでは前日比で下がりましたが、前々日より少し上で終了。VR改や短期RSIも上昇。30日壁はずっとそのまま。売られすぎサインは消灯のまま。このままホールド。
17.OSCが上昇する限りホールドし、9月13日には61%までマーク。この日の指数値は71440ポイントとなっており、今年1月14日に次ぐ高値水準でした。ここはさすがに上げすぎだったようです。9月14日からドーンと下げて今日まで6430円も下げております。ちなみに30日壁は68500円のまま。
この先は、2日前と比較で(繰り返しますがこの点がポイント)、OSCの下げ止まりと、VR改の上昇、9日RSIの上昇、30日壁の切り下げ。それに3日連続点灯している売られ過ぎサインの「消灯」の5つが、反転攻勢の狼煙となる筈です。
以上です。
たまたま、今日はSMCで検証しましたが、他の銘柄でも、日経平均の動きでも、ほぼ7割方の銘柄に上記の「売買方程式」が適用できそうです。もちろん、3割は外れとなりますが、完璧に当てられる方程式など、この世界にはありません。
上記のエクセルのツールを購入してお持ちのかた、こうした見方でご自身の銘柄分析を行ってみて下さい。何か更にブラッシュアップされた方法が見つかるかも知れません。
今日は長くなりましたが、エクセルツールをお持ちの方向けの話でしたので、他の方は軽く読み流しておいて下さるようお願いします。