1980年代初頭に家族が横に並んで食事する都市部の悩める現代家族をテーマとした映画「家族ゲーム」で一躍スター監督に登った森田芳光監督が61歳でまくなりました。まさに私達の世代を代表する映画人です。
追悼の意味でと2010年作の「武士の家計簿」をビデオで観ました。原作は、磯田道史 さんの『 武士の家計簿 「 加賀藩御算用者 」 の幕末維新 』 (新潮新書刊)で読んではいないのですが実在の人物のよう。
幕末から明治維新という荒波の時代が背景だけでにそうした社会性も前面に出てくるのかと推測もしましたが、全く違ってたんたんと御算用者として代々加賀藩の財政に携わってきた猪山家八代目・直之を表現します。
直之の息子・直吉が維新前夜の加賀藩めぐる尊王攘夷の対立時、直之に向かって吐いた「この時代に単に御算用者でいいのか」と激しく迫るその場面で充分に父子の対立とその背景としての社会性は伝わってきました。
その直吉が陸軍創設者の大村益次郎に「これからの時代は、会計・財政の専門家こそが次の時代を作る、武士の1000人に値する」とへットハンティングされる場面も幕末から明治という時代的実相が上手く描かれています。
家族と仕事と時代とい個別の一人ひとりの人間とコミュニティとしての家族、世代間対立、これらを普遍的な時代を動かすエネルギーの中に落としてみせるその手法が森田さんらしいと再認識しました。一見の価値あり。
追悼の意味でと2010年作の「武士の家計簿」をビデオで観ました。原作は、磯田道史 さんの『 武士の家計簿 「 加賀藩御算用者 」 の幕末維新 』 (新潮新書刊)で読んではいないのですが実在の人物のよう。
幕末から明治維新という荒波の時代が背景だけでにそうした社会性も前面に出てくるのかと推測もしましたが、全く違ってたんたんと御算用者として代々加賀藩の財政に携わってきた猪山家八代目・直之を表現します。
直之の息子・直吉が維新前夜の加賀藩めぐる尊王攘夷の対立時、直之に向かって吐いた「この時代に単に御算用者でいいのか」と激しく迫るその場面で充分に父子の対立とその背景としての社会性は伝わってきました。
その直吉が陸軍創設者の大村益次郎に「これからの時代は、会計・財政の専門家こそが次の時代を作る、武士の1000人に値する」とへットハンティングされる場面も幕末から明治という時代的実相が上手く描かれています。
家族と仕事と時代とい個別の一人ひとりの人間とコミュニティとしての家族、世代間対立、これらを普遍的な時代を動かすエネルギーの中に落としてみせるその手法が森田さんらしいと再認識しました。一見の価値あり。