陳情団体は「乗り越えよう新型コロナウイルス!@しずおか」というネット上の市民グループです。昨年のコロナ緊急事態宣言をきっかけにPCR検査機器の導入やオンライン教育など生活の中から生まれてくる行政施策について提言をしてきました。
今回、メンバーの一人が高齢者福祉施設で働いていることからコロナワクチンの優先接種となりましたが副反応が思ったより重く、とても普段通りの仕事ができないにもかかわらず、ただでさえ人材不足の介護現場ではとにかく出勤しなければならない。
そんな中、河野大臣の一声で「公務員にはワクチン休暇」が制度化されました。どうして公務員だけ?!この現実を議会陳情にしてみようと思い立ち、1、先行した医療従事者や高齢者の副反応の公表、2民間、福祉現場、非正規の方々にもワクチン休暇制度、3、副反応による介護現場への人材不足を行政としての支援、の3項目を提出。
しかし、ワクチン休暇を実現する権限は静岡市にはないから陳情として取り扱えなきかもしれないとの議会事務局からのアドバイス。陳情・請願は市民が議会の議題を作ることができる議会制民主主義の権利です。どうしたら市民グループの皆さんの提案が実現できるのか。
思い悩み、市民グループの皆さんは陳情項目を市の権限でできる内容に修正しました。これに呼応するかのように議会運営委員会では陳情項目を分割し総務委員会、厚生委員会に振り分けてくれました。あと議会として応援できることは陳情項目が実現可能であることを総括質問で答弁として示させることと総括質問テーマで取り上げることにしました。ワクチン休暇は市長が「コロナ差別発言はやめよう」キャンペーンと同じように「ワクチン休暇」を広める発言をしてもらえるように要望事項としました。
市民グループの皆さんは、昨日の総務委員会、本日の厚生委員会で直接に意見陳述をし採択されるものと信じていました。そうしたら「既に陳情項目は実現している」から「陳情取り下げはできないのか」との議会からの質問。市民グループとしては、部分的には実現できているかもしれないが、項目が全部できているわけではないので是非とも議会として実現できるように採決してほしい」との対応をされました。
二つの常任委員会では、共産党の委員の方が市民グループの意向を尊重して賛成してくれました。残念ながら自民党、創生静岡、公明党、志政会は上記理由により不採択の判断。どうしてこうしたことが起きるのでしょうか。市民が作った議会の議題、議会は執行部が方向性として受け入れているならば、市民の趣旨を確実にする決定をするのが二元代表制としての議会の仕事ではないでしょうか。執行部へのご意見番が議会の仕事ではありません。議決権限を持っているのは議会です。とても残念な不採択決定と言えます。