ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

心がぐらぐらした日曜日

2023年10月16日 | ひとりごと
そこにあるのは、しんとした、微動だにしない、同時にじわじわと大地に滲んでいく死だった。
窓に近づけば目に入ってくる、逃げ場のない完全な死だった。


どうしてこんなことになったのか、それはもう想像するしかないのだけれど、多分うちの前の道路で車に撥ねられ、そのままよろよろとうちの裏庭まで逃げてきて、そのまま力尽きたのだろう。
腹は裂け、内臓の一部が外に出てしまっていて、その衝撃の大きさが彼の命を奪ったのだろう。
もしかしたらここに何度も来て、のんびりと散歩や昼寝を楽しんでいた鹿だったのかもしれない。
わずかな時間でもこの場所が、彼の最期にとって安らげる空間であったことを祈りたい。
夫が警察と専門の機関に連絡したが、平日の午前8時からでないと作業を頼めないそうで、彼はまだ同じ場所で横たわっている。

鹿は、ちょうど見頃や食べ頃になった庭の花や野菜をパクパク食べるし、彼らの体にくっついているマダニが人間や猫に喰らいつく心配もあるし、何時間もくつろいでいる間にあちこちにフンを落としたりするしで、どちらかというと歓迎はできない。
けれどもこんなふうに死んでしまうのはだめだ、とても悲しい。


うちの菜園から、すっかり赤くなった元は緑のピーマンとシシトウと茄子を夫が採ってきて、野菜てんこ盛り&牛肉のスープに入れた。


朝晩はすっかり肌寒くなり、もう夏野菜は育たない。
最後の最後までわたしたちの食事を楽しませてくれてありがとう。

大袈裟ではなく悲惨だった昨日から一日が経ち、徹夜した分の3分の1ぐらいの睡眠は取り戻せたので、今日はほぼほぼ平常に戻った。
明日は皮膚科だ。
老人用健康保険証を獲得した途端に、あれやこれやと病院に通うことが増えたが、ぽっかりと穴が空いたままの上の前歯のせいで、下手に口を開くとマヌケに見える日々は、もうかれこれ半年以上続いている。
この国では、我々のような年代がいよいよ必要になってくる歯と目の治療に、この健康保険は使えない。
シニア一揆を起こすしかないのかな。
コメント
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