今日はとっても痛い目に遭ってきた。
左目の下の、ちょうどまつ毛が生えている部分に水膨れのようなものができて、なんだろなと思いながら放っておいたら、小さいのだけど見た目がすごく気味悪い出来物に育ってしまった。
よくよく見ると、その出来物のすぐ横に、またまた同じような水膨れっぽいものがある。
いやいや、これは放置しておくわけにはいかないだろうと、皮膚科の医師に診てもらいに行った。
ついでに、右の頬骨のちょっと横でスクスクと育ったイボのような腫瘍のような、でも全体的にペタンとしていて、直径が1センチ近くもある濃い灰色の出来物も診てもらった。
わたしの体には、それは豊富な種類のイボや出来物がいっぱいある。
出来物辞典とかがもしあったら、トップモデルになれるかもしれない。
この場合、五頭身だの扁平頭だの二の腕振り袖だの四段腹だの短足だの、そういうことは一切気にしなくてもよい。
「うーん、これはちょっと、うーん、取れないことはないけど、下まぶたの線に食い込んでいるからなあ」
「この線を途切れさせるとまつ毛が生えなくなってしまうし、うーん、いや、多分大丈夫だろう、やってみよう」
「あ、ちょっと痛いよ。チクっとするからね。ああ、痛い痛い、ごめんね、痛いよね、でもあと数回、痛いねえ」
「さあ、場所が場所だからね、気をつけないと、いや、難しいな。でも線は守らないと、まつ毛のためにも」
「痛いね、痛い痛い。ごめんね、でもここで止めることはできないから我慢して、ちょっと引っ張るよ、不快でしょ、ごめんね」
医師は手を動かしながらずうっとしゃべり続けていて、わたしは頭を押さえつけられながら「うっ」とか「いっ」とか言っていて、時間にしたらほんの15分ぐらいだったのだけど、痛みはかなりきつかった。
下まぶたも頬も、どちらも生検に送るので、美容ではなく医療になったので、保険が効くというのは嬉しかった。
今日から2週間、軟膏を塗りつつ生検の結果を待ち、良性であることがわかったら残りのチビ出来物を取る。
またあの痛みを我慢しなければならないと思うとちょっと凹む。
帰り道にあるWhole Foods Marketに寄って、卵や日本野菜を買い、外に出ようとしたら、従業員募集の張り紙があった。
時給15.5ドル。
こちらの最低賃金は時給15ドルだが、来年の1月1日に17.25ドル、再来年の1月1日に19.25ドル、そして2026年1月1日には21.25ドルへと引き上げられる予定だ。
今は1ドルが150円近くにまでなっているので、換算するのは不公平な気もするが、日本円にすると約2300円になる。
日本の全国平均最低賃金は1004円らしいけれど、少な過ぎると思う人はきっとたくさんいるだろう。
裏庭の鹿の遺体は、夫が隣人と二人で歩道際まで運び出し、それを市のトラックが来て持ち運んでくれた。
市は遺体を荷台に移動させただけなので、道路に残った遺体の一部や汚れは、夫が一人で掃除してくれた。
わたしはただただ恐れ、縮こまり、遠巻きに見るだけしかできなかったから、今回のことでは全く役立たずだったのだけど、家全体に漂っていた死の靄が徐々に薄れていくのを感じて、今夜はちゃんと眠れるかもしれないと期待している。
昨日はほぼ復活したと思われた体調は、今日になってそれほどでもなかったことに気がついた。
腸の調子はイマイチで、下剤の影響がまだまだ色濃く残っていて、少しのことで脈が乱れたり鼓動が異様に強くなったりする。
揺れるほどではないが軽いめまいがいつもあって、熱は無いのにおでこが熱い。
夫は大腸検査のすぐ後にCOVID-19に感染したので、わたしもその二の舞にならないように、ほどよく寝て、食べて、運動しようと思うのだけど、出来物を取ってもらったせいでプール通いが2週間禁止になってしまった。
夫は散歩に最適な季節なのだから、外に出て歩けばいいと言う。
わたしもそれには大賛成なのだけど、大腸がん検査の準備期間からずっと中断してたので、行きたくて体がウズウズしている。
いやあ、このわたしがこの歳になって、プール通いがしたくてウズウズしてるだなんて、一体誰が予想してただろう。
人生ってほんまおもろいなあ。