ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

イボものがたり

2023年06月14日 | ひとりごと
ずうっとずうっと行かねばならぬと思い続けてきた皮膚科の病院。
加齢とともに増える皮膚の良性腫瘍、いわゆる老人性イボが、わたしの上半身に多発している。

『脂漏性角化症(老人性イボ)』
色・褐色調から黒色
大きさ・直径数mmから2~3cmくらいで、ややもり上がっている
通常は掻痒(かゆみ)や疼痛(痛み)はない

と言われているが、わたしの場合は、出現する際と大きくなる際にたまらなく痒くなる。
悪性化してガンになることは無いし、人に移すこともないのだそうだが、できたものは絶対に消えないらしい。
人に移すといえば、強烈に思い出すことがある。
父方の祖父がちょくちょく家に遊びに来てくれたのだけど、一緒にお風呂に入った時は決まって、祖父が「い〜ぼ〜は〜し〜わ〜た〜れ〜♪」と楽しそうに歌いながら、自分のイボをチョイとつまみ、それを幼い弟やわたしの体にくっつける仕草をした。
わたしたちはきゃっきゃっと笑いながらその手から逃げようとして、狭い浴槽の中でお湯をジャバジャバと波立たせた。
わたしも弟も若い頃からイボが多かった。
もしかしたらあれは本当に、イボの橋渡しの歌だったのかもしれない。

わたしの顔の右側の頬骨のすぐ横には、もう10年来のイボがスクスクと育っている。
胸の周りに集中している濃い色のイボも、ハッと気がつくと倍増してたりサイズが大きくなったりしている。
でもまあそういう体質なのだし、連中は姿形こそ醜いものの、タチの悪いやつらではないのだから、ともに仲良くやっていこうと思っていたのだが、1箇所だけそう言ってはいられなさそうなブツが、しかもたとえ医者であろうとも、先生、ちょっと診てくださいとは言い辛い場所に出現した。
それを、気になりつつも放置して早4年。
コロナ禍もあったりして余計に遅れてしまったのだけど、その間に大きくなったり小さくなったりしながら数が増えていった。

なのでどうしても腕が良いと評判の、経験豊かな、そして何が何でも女性の皮膚科の医師に診てもらう必要があった。
そして今日、ようやくその日が来て、シャワーを浴びて全身を清潔にしてから出掛けた。
大人気のC医師の待合室には、老若男女がぎっしり座っていて、新患の手続きをしているわたしをジロリと睨む人も少なからずいた。
予約の時間を少し過ぎた頃に名前を呼んでもらい、緊張しながら診察室に入る。
歯科医院のような物々しい機械や設備品は無く、診察台と大きなライトがあるだけのシンプルな部屋で、結局40分待たされた。
長いのだ、患者一人一人にかける時間が。
そして入ってきたC医師。
いやあ、聞きしに勝るパワーに押されっぱなしのわたし。
どこが気になる?何を聞きたい?やってほしいことは何?
服をずらしたりめくったりして、わたしの作品たちの一つ一つをジィッと見極めては、はい、これは良性、これも大丈夫と、早口で答えていくC医師と、それを速記でメモする助手さん二人。
「よかったね、全部ただの脂漏性角化症だから、除去したかったらいつでもできるよ。ただ、保険は使えないから実費になるし、取ってもまた再発するし、多少の傷痕も残ると思うから、まあまた考えてきてちょうだい」
と言って白衣を翻して診察室から出ようとする彼女を、
「待ってください!実はもう1箇所、どうしても診ていただきたいものがあるんです!」と引き留めた。
「実は、あの、えっと、診てもらうのが申し訳ないのですが、ここに…」と言って指差すと、
「なーに言ってんの!そんなこと気にしないでいいの!わたしは医者よ!あなたの医者よ!どこだって診るわよ、あなたが気になるんなら何だってするわよ!」と、ガシガシと近づいてきた。
「じゃあ、うつ伏せに寝て、下着下ろして」
そうなのだ、そのブツは、こともあろうにお尻の、それも穴のすぐ横に村を作っているのだ。
助手さんたちとC医師が、よく診られるようにとしりこぶたを左右に引っ張り、その村人たちを診た瞬間、「うーん…」と無言になった。
何この静けさ、めっちゃ嫌な空気じゃないか、これ?
「まうみ、ちょっとこれは他のと違うかもしれない。なので検体に出すからちょっと切り取るね」と言って、C医師だけ部屋から出て行った。
戻ってくるなりチクリと麻酔の注射を打たれ、切り取られたのだけど、部屋にはいつの間にか2人の医師と2人の助手がいるではないか。
しかもC医師ともう一人の医師が、低い声でボソボソ話し合っている。
専門用語だらけで、というか専門用語だけを使って何かを確認し合っているようなのだけど、声のトーンがやけに暗い。
よりにもよって、こんな場所から厄介なことが起こっていたりしたら泣くぞ、わたしは😭
とりあえずバンドエイドを貼ってもらって家に戻ったのだけど、今まで夫には内緒にしてたから、張り替えを頼み辛い。
とにかく医者に診てもらうことができた。
あとは寝て待つっきゃない。
どうか恐ろしいことになりませんように!


いつも買っては最後まで食べきれずに腐らせてしまうイチゴ。
今回はなんちゃってイチゴアイスを作ることにした。

ジップロックの袋に入れて手でグイグイと潰し、そこにお砂糖を少々とヨーグルトを加えてさらにグチュグチュして凍らせるだけ。
多分美味しいと思う😅



お箸でマンゴーを喰らうのはわたしだけ?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする