わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

手捻り(ひねり)10 板(タタラ)作り4 作品を造る2

2018-09-04 16:27:59 | 手捻り陶芸
広い面積の板状にする事えで、平皿や立体的な箱状の作品の他、筒に巻きつけて、円形の

作品、又は型に押し付ける事で、轆轤作業や紐作りとは異なる作品群を、効率良く作る事が

できます。

4) タタラで作品を造る。

 タタラは平たい状態で使う場合や、石膏型などに被せて利用したり、円筒形や角柱等に巻き

 付けたり、タタラ同士を接着して組み上げて作品に仕上げる事が出来ます。

 ① 平たい状態で造る作品。(以上までが前回の話です)

 ②  平たい粘土を立体的形にして作る作品。

  ⅰ) 木型や石膏型などを用いた作品。

   同じ形状の作品を数多く作る場合に便利な方法です。

   石膏に模様などが彫り込んであれば、凸状の文様となり、表面が浮き彫り状であれば

   凹状の模様が付く事になります。型はご自分の近くにある、どの様な物でも使えます。

   型には一個で済む簡単な物から、複数個の型を組みを組み合わせて作る作品がありま

   す。型に生乾きの粘土を押し付け、型通りに変形してから、型から取り外します。

   直に粘土類を押し付けると、型離れが悪く形ちを崩してしまいますので、蚊帳(かや)

   等の布を挟み込むか、片栗粉の様な粉末を粘土又は型に筆で塗り、形離れを良くします

   蚊帳を使う場合表面に、蚊帳目の模様が付きます。釉が薄めであれば、これも模様も

   見所のつになります。

   尚、タタラの肉厚を厚くし過ぎるたり、乾燥し過ぎると、型に沿わせる際粘土に

   「ひび」が入り易くなりますので、注意が必要です。尚作品を軽く作るのであれば

   5mm程度でやや重くする場合や大きな作品の時には7~10mm程度とします。

  a) 型には型の外側を使う方法と、内側を使う方法があります。

   型に模様が付いている場合には、その文様は作品の内側又は外側に付く事に成ります

   イ) 単純な形の作品では、一般に型の外側を使う事が多いです。この利点は土

    (粘土)を強く叩き締める事が出来る点です。掌(てのひら)以外に叩き板を使う

    事も容易です。欠点は、型に被せた状態で、そのままにして置くと、粘土の乾燥が

    進み収縮し表面に「ひび」割れが発しますので、速めに取り除く必要があります。

   ロ) 内側を使う場合。

    利点はそのまま放置しても、自然に素地が収縮しますので、「ひび」の発生は少なく

    型離れ良くなります。欠点は、内側の型に素地(粘土)を沿わせる際、特殊な用具が

    必要になる事です。特に凹凸の多い型であれば、その隅々まで土を入れ込まなくては

    成りません。一般には、やや軟らかい粘土を団子状にし、強く布切れに包み込み、

    これを粘土の表面に打ち付ける様にします。この粘土は型に沿って変形しますので、

    巧く押し込むことができす。注意点は指跡を残さない事です。

   ハ) 複雑な形の作品は、複数個の型を組み合わせて使います。

    これを「割り型」と言います。型抜きが困難な「逆傾斜(テーパー)」の作品の時

    使います。型の内側を使う事が多いです。又、作品の左右(又は上下)を別々に作り

    その後両方を貼り合わせて一個の作品に仕上げる事もあります。

  ⅱ) 円筒状のものに巻き付けて作品にする。

   電動轆轤では、背の高い作品を作るには、相当年季のいる作業となります。

   しかし、筒状の物(又は角柱)にタタラを巻き付ければ、容易に背の高い作品に仕上げ

   る事ができます。その際、筒に薄い紙を巻き付けると、粘土の型離れが良くなります。

   作品に底が付く場合には、型から抜く前に底(丸又は角状のタタラ)を付けると容易に

   取り付ける事ができます。但し、内側にタタラの繋ぎ目が残りますので、綺麗に跡を

   消します。

   口の狭い作品では、手が入らない場合もありますので、「柄コテ」等の用具を使います

   型を抜き去った後、更に好みの形に変形できます。

   更に、この円筒を轆轤に載せ、轆轤作業を行えば背の高い作品を作る事も可能です。

   但し、肉厚の厚いタタラを使う事で、作業はより容易になります。

  ⅲ) タタラ同士を貼り合わせて、作品を作る。

 以下次回に続きます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする