わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問 59 土鍋用の釉薬の調合とは?

2023-04-11 11:05:22 | 質問、問い合わせ、相談事

「きんぎょ様」より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します。

土鍋の釉薬を作りたいのですが、調合について何かご存知でしたらご教示頂けますと幸いです。

 

明窓窯より

1) 粘土に付いて

 a) きんぎょ様はどの様な土を使う予定ですか?

  土鍋は直火で煮炊きしますので、耐火度が高く急熱急冷用である一般的な土よりも、

  鍋土専用の土を使う事をお勧めします。

  何故なら急熱を繰り返すと、熱衝撃で確実に「ヒビ」が入り、最悪煮炊き中に割れる

  恐れがあるからです。

  土鍋土はペタライトと言う鉱物を大量に添加された物で、陶芸材料店など、

  粘土を扱っている所で手に入れる事ができます。 

 b)土鍋土の特徴は、加工がし難い事と、焼成温度が一般的な1230~1250℃よりも低く

  1180程度でマックスでも1200℃止まりです。

 ⅰ) 加工が難しいとは、轆轤挽した時土が上に伸び難い事と、手捻りの場合は、

  乾燥時に割れや「ひび」が入り易い事です。

 c)土鍋用の釉薬も市販されています。

  土鍋用土と同様に、ペタライトが入っています。陶芸材料店で手に入ります。

  土と釉の相性を良くする等の為と思われます。

2)ご自分で調合する場合には、1180℃で焼成する釉薬を調合し、ペタライトを添加します。

 釉薬は下絵付けをするのであれば、透明釉が一般的ですが、色を付ける事も可能です。

3) 施釉は鍋底以外の全ての部分と、蓋は器にセットして焼成する場合は、合わせ目の

 部分は、釉を落としておきます。尚、器と蓋に十分隙間が有れば、別焼きの方が良い

 かも知れません。

 又、施釉はやや厚掛けにした方が、鍋の強度が増すと思われます。

 当然ですが、釉薬は一度に多量に作らず、必ず試し焼きして下さい。

以上 不明な点が有りましたら、再度ご質問下さい。


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