わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

騙しのテクニック1 始めに

2014-06-17 21:48:40 | 騙しのテクニック
この世界では、人を騙す(だます)事が日常茶飯事に行われています。

振り込め詐欺や未公開株の投資や、捏造事件、偽ブランド、偽チケット、偽のサイトさえあります。

多くの場合、金銭的利益を得るのが目的で行われる場合が多いです。

騙しの世界にも、騙すつもりで騙す悪意のあるものから、騙すつもりは無いが、結果的に騙して

しまったと言う場合があります。

ここで取り上げるテーマは、勿論焼き物に関する事で、古今の骨董的な話が中心になります。

贋作(がんさく)と言えば、昔より古陶磁器の世界に特に多く存在しています。

但し、騙しや詐欺に会わない様にするにはどうしたら良いか、などの心構えなどを話すつもりはなく

あくまでも、技術的な事柄を述べたいと思っています。即ち、どの様な技法や技術を使って本物

らしく見せるのか、どの様にしてそれを見破るのかなどを、述べたいと思います。

◎ 前もってお断りしておきますが、私は骨董に詳しい訳でも無く、いわんや鑑定などした事も

  ありませんので、必ずしも私の経験からの話ではありません。色々の書籍や参考書を見、私

  なりの考えを盛り込む程度ですので、一般的な騙しの話と、本からの子引き孫引きとなります。

1) 生存している現代作家の贋作は、非常に少ないですが、その他の陶磁器には贋作は付き物です

   国や時代を問わず、又安価なものや、小品であっても贋作が作られ、現在でも堂々と流通して

   います。

  ① 贋作(がんさく)と写し(模倣)は違います。

   ) 縄文土器や、埴輪などを古代色を付けて、本物そっくりに作る事があります。

    「レプリカ」として作った物で、現代作である事を明記していれば、それを販売したと

    してもそれは写しであり、贋作とは言えず詐欺ではありません。この作品を古代に作られた

    発掘品として発表し、販売したり販売目的で保管していれば、これはれっきとした贋作に

    なります。

   ) 昔の技術を習得する為に、模倣(再現)する場合があります。絵画に於ける模写と

    同じです。中国の古い陶磁器類や、桃山時代の優れた作品の中にも、未だ再現出来ないもの

    があるそうで、その再現に命を掛けている人もいる様です。

    再現出来た物は、再現品として美的価値や経済価値があります。再現出来た方も名誉ある

    行為として賞賛されます。

  ② 美術館や博物館にも贋作らしき物が含まれている場合があります。

    又、書籍や図版などの中にも、贋作らしい物が含まれている場合もある様です。

    当然、収蔵や収録するに当たり、真贋を鑑定し判定しているはずですが・・・

    贋作である場合、資料的価値は有りません。

    但し、貴重品で一般に公開できない作品も多いですので、その場合には「レプリカ」と

    表示した上で、展示している場合が多いです。

2) 贋作の種類。

 ① 始めから贋作として作られた焼き物。

   古い時代に存在していた物の偽物は勿論、現在作家の死亡から数十年後の作品まで、幅が

   広いです。

 ② 半真半贋の焼き物。

   真作を加工して別の形や、絵を付け(後絵)たりした物で、本来の形(姿)からすると

   贋作と言えます。

 ③ 贋作ではない贋作。

   流通過程や、伝世する間に、本来の産地や使用目的から逸脱した物で、本来の産地から見ると

   贋作に見えます。

  これらの詳細については、後日お話します。

以下次回に続きます。


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