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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

騙しのテクニック39 本物より偽物が多い作品

2014-08-01 22:41:19 | 騙しのテクニック
あらゆる種類の焼き物には、多かれ少なかれ偽物が存在します。

その中でも、1)偽物が常に出回っていて、本物の方が少ない物。2)本物も多いが、偽物も多い物

3) 偽物より、本物の方が多い物。4) ほとんど本物で、偽物の方が少ない物など、偽物の世界

   も多種多様です。これらの知識が有れば、ある程度の贋作に対して対応できます。

1) 偽物が常に出回っていて、本物の方が少ない物。(偽者100、本物1 程度)

 ① 大振りの絵唐津茶碗は稀。

   一般に、抹茶々碗の口径は、12.5前後~15cm 程度の物が多いですが、本物の絵唐津茶碗では

   11~12cm程度と小振りの作品が多いです。それ故、口径の大きな絵唐津茶碗はほとんど

   存在していません。但し、奥唐津や彫唐津茶碗には、本物の大振りの茶碗はあります。

 ② 適度の大きさ(二合程度)の古朝鮮唐津徳利は稀。

  高さが15cm以下の小振りな徳利か、高さが20~40cm程度の大徳利が多く存在しますが、

  その中間大きさの徳利は珍しいです。 大小の二種類しか無いことは、当時の生活様式と関係が

  あったと思われます。 勿論、現代では、適度の大きさの朝鮮唐津の徳利は作られています。

 ③ 斑(まだら)唐津立ちぐい呑は稀。

  ) 桃山~江戸初期の酒の盃で人気のある物に、唐津焼のぐい呑があります。

   特に筒型に立ち上がった物は、碗形よりも評価が高いです。

   唐津焼でも、碗形の黒唐津と呼ばれる本物は、比較的多く存在しますが、斑唐津や絵唐津の

   筒型のぐい呑は、ほとんど存在しません。

  ) 偽物は斑唐津と絵唐津のぐい呑が圧倒的に多いです。

   高さも5~7cm程度と小さな物ですので、轆轤挽きで簡単につくれる事と、高価で取引され

   る事で、贋作に手を染める方も多いようです。

 ④ 黄瀬戸六角盃は稀。

  ) 桃山~江戸初期に作られた、本物の黄瀬戸六角盃であれば、一個数百万円の値打ちが

   あると、言われている程の人気があります。多くの書籍に取り上げられていますので、本物が

   多く存在する様に思われますが、実際には極端に少ないです。

  ) 現在でも多くの陶芸家が、黄瀬戸六角盃を作っています。

   (勿論贋作として、売買されている訳ではありません)。

   灰釉による黄色釉と六角形と言う造形の為、真偽を見分けるのが難しいとも言われ、その事

   もあり、贋作が多く作られ出回っています。  

 ⑤ 黄瀬戸鉦鉢(どらはち)は稀な存在です。

   幅広の鍔(つば)状の縁を持つ、平たい皿状が特徴で、見込み中央に鬼板(鉄絵)による蕪や

   大根などの絵が描かれているのが特徴です。要所要所に「抜けタンパン」による、緑色が付け

   られています。これも図版で良く見掛ける物ですが、実際にはほとんど見ることが出来ません

 ⑥ 瀬戸黒、志野、絵志野、織部の茶碗と水指、香合は稀。

  ) 桃山~江戸初期に「青織部」の水指は、ほとんど存在しません。

  ) 幕末以降、志野や織部の写しや織部風の作品が、美濃や瀬戸更には、他の地方窯で大量に

    製造される様になります。

 これらの作品に出逢ったら、まず贋作ではないかと疑って掛かった方が安全です。

2)本物も多いが、偽物も多い物。

以下次回に続きます。

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