先にヤマボウシを掲載して桑の花に似ていると書きましたので、桑の花を掲載します。養蚕が盛んだった頃わが国の多くの畑で桑が植えられていました。子供の頃桑の実を食べて口の中を紫色にしたことがありました。また「赤とんぼ」の童謡にも♪~山の畑の、桑(くわ)の実を小籠(こかご)に摘んだは、まぼろしか~♪と詠われて知られています。その桑の花です。里山に自生していたものを撮影しましたので、花が小さくて見難いですがご容赦願います。形と雰囲気を見てください。これが実ってくると赤紫色の実になります。
学名は「Cornus kousa Buerger ex Hance」で、本州から九州に掛けての日本、朝鮮半島、中国に分布しているミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木です。4枚ある白い花に見えるのは、花弁ではなく総苞です。花は中央にある緑の粒のようなところに桑の花のような小さな花がいっぱい咲いています。これが秋になると集合果となって赤く色づき食べることができます。秋にじっくり観察すると、極小さなサッカーボールのような形の実が成っているのを見つけることができるでしょう。ハナミズキはこの花と同属のようですが、果実が集合果ではなく一つずつ実が成るそうです。そう言われると花のような総苞があり似ていますね。ヤマボウシは乾燥し過ぎると生育に良くないようですから、庭に植栽する場合は、適度の湿潤さがある場所が良いそうです。写真は近所の大学構内で5月22日に撮影しました。木全体が白い雪を被ったように見えます。街路樹にも多く最近各地の道路沿いに咲いているのを見かけます。