鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

BASARA~謀略の城③~換骨奪胎は、難しい・・・

2009-03-10 21:03:33 | Weblog
久々の晴天・・・随分と春めいて。

一昨日からの続きです。

『マクベス』の冒頭は、三人の魔女で始まるわけですが・・・

『綺麗は、穢い・・・。穢いは、綺麗・・・。』
オドロオドロしくて、物語の悲劇を予感させるイントロ・・・。

魔物(魔女)に予言、大恩ある領主の寝込みを襲い、自分が領主の座につく・・・ということを、やってのけた松永弾正(マクベス)ですが、本来は、心優しく、いいヒトだったようです。
でも、魔物の予言を信じたつやの方(マクベス夫人)に、唆されて、結局、破滅への道を進む訳ですが。

このつやの方(マクベス夫人)を演じたのが、花組芝居の座長さんの加納幸和さん。
夫を唆し、領主夫人の座を手に入れたものの、心休まる暇もなく、だんだん壊れていく狂気を、加納さんならではの演技力で、演じておられました。
舞台では、女形ということだけれど、特に女形でなくても・・・と思うことしばし・・・。
身長も高いし、結構、骨っぽい・・・今度は、極めつけの男の中の男なんて役柄は、如何でしょう?

なかなか、悪人になれない根は、いいひとを、そのままのヴィジュアルで演じられていた天宮良さん。
1月には、『リチャードⅢ世』に出演されていて、今年は、シェイクスピア続きですね。

不思議な雰囲気を醸し出していた花組芝居の植本潤さん・・・。お医者さんの役でしたが、(たぶん)ご自分よりウエイトのあろうかと思われる天宮良さんを、お姫様だっこ・・・。
役者さんって体力があるんですね・・・。
この方、どんな役でもこなしてしまう不思議な役者さん。素顔は、とても可愛らしい。

美男優の集団 スタジオ・ライフからも何名が、お名前があったのだけれど、最近、ご無沙汰のスタジオ・ライフなもんで、どなたがどなたやら・・・。ちょっとわからんかったです。

この『BASARA~謀略の城』の中で、ひときわ端正だったのが、細川玄信役の森田順平さん。
重厚で、上品、理性的で、そして少しの野心をもつ細川玄信役を巧みに演じられておりましたね。


どうも、あの劇団☆新感線の『メタル・マクベス』が、オーバーラップしてしまい、換骨奪胎の難しさをしみじみ感じた舞台でした。
エピローグは、『朧の森に棲む鬼』を思い出してしまい・・・。

シェイクスピアを、脚色するなら、思い切って、大胆に変えてしまったほうが、ある意味、すっきりするのではないか・・・なんて、シロウトながら、そう思ってしまいました。

上演時間2時間・・・料金のわりには、楽しめた作品でした。