鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『桜姫』④~やっぱり、パラレル・ワールドなんでしょうか?

2009-06-24 21:04:06 | Weblog
通勤中に激しい雨。空気ひんやり・・・。昨日の暑さが嘘のよう・・・。

なんだか、書けども、書けども、結論が見えてこないお芝居です。

本日4夜目・・・これで終わってくれれば、いいのだけれど、多分、5夜目もあると思います。
・・・もういい加減しろ・・・と言われそうですが、ここまで、翻弄されたからには、最終局面の結論まで、たどり着くまで書くよ・・・わたしゃ・・・と・・・別にムキにならなくてもいいんですけどね。

さて、昨日、ちょこっと書きましたが、この物語、実は、パラレル・ワールドの展開なのか・・・と。
パラレルがお好きなのは、野田秀樹さん、鴻上尚史さんといった演出家さんがおられますが、脚本を書かれた長塚圭史さんもその系譜なのかどうか・・・。
ワタシは、長塚作品は、この『桜姫』を含み2本しか拝見してないので、その傾向が良くわからないのですが・・・。

この世の中には、もう一人の自分がいて、今の自分が幸福であれば、もうひとりの自分は、不幸に陥っている・・・。だから、幸福であっても手離しで喜んではいけない・・・。

この世を文字とおり、この世と解釈するのか、或いは、次元の違うもう一つの世界を意味するのかは、わかりませんが・・・。

だから、この舞台、矛盾だらけでもいい・・・っていう理由には、ならないと思うのですが・・・。
或る意味、パラレル・ワールドは、ご都合主義的でもありますね。

でもさ、世の中、わからないことだらけ・・・だからいいのか・・・。

この不条理さに、ひたすら翻弄されるのが、セルゲイ(清玄)役の白井晃さん。
テレビでは、よく拝見するものの、舞台では、初めてかも・・・しれないし、以前、なにかの舞台で観たことがあるかも・・・。
今回は、イエス・キリストっぽい、ストイックな殉教者的雰囲気で、九尺十字架を背負っての登場。
汚辱にまみれたこの舞台で、ひときわ清潔感がめだっていたのですが、同性愛者の役だもんね。
心中に失敗して、罪の意識を背負ったまま、死に切れず、死に場所を求めているようなのですが、やはり、生物の業といいましょうか・・・
『生きていたい!』
という結論に達してしまうわけです。

ドロドロと愛憎渦巻くストーリーの中の一服の清涼剤的な役でした。


すみません。明日も続きます。