欲望と欲求

くもりがち。

今週は、会計伝票の提出期限なんで、週末にかけて忙しさがピークに向っていきます。


さて、土曜日にFMトランスミッターの接続コードを足に引っ掛けて、毀して、音楽なしのドライヴを余儀無くされておりますが、
『音楽聞きたい！』
という欲求は、強まるばかりで・・・。

そこで、ふと思い出したのですが、『他者と死者』（内田樹・著）の中で、こんな記述があります。

『欲望（desir）』を『欲求(besoin)』と無反省に混同しているが、この二つは、レヴィナスによれば、全く別の概念である。
『欲求』とは、『本来あるはずのものが欠如した状態』をいう。
原初の満足が失われたので、その現場回復を求めるのが欲求である。
だから、『欲求は本質的に郷愁であり、ホームシックである』と言われるのだ。
これに対して『欲望』は帰る先を知らない異郷感、満たされない不満足感のことである。

・・・トランスミッターを毀して、従来聴くことができた音楽が聞けなくなった。
それを聞きたいと思う欲求・・・原初に回帰したいわけです・・・。

原初に帰る・・・ということでは、失恋とか、何かの理由があって、大好きだったお友達ともう逢えないなんて場合は、『欲求』が募るというか、そんな感じですかね。
・・・出会う前って、今迄、『そのひと』は自分の心の中に住んでいなかったのに、出会って、『そのひと』とのコミュニケーションを楽しんだ日々は、逢えなくなってもなかなか消えないというか・・・。
出会う前の原初には、到底、戻れそうも無い・・・。
特に、亡くなってしまった場合なんて、もう出逢った時が、原初で、それ以前は、もう無い・・・。
リセットが効かない状態ですかね・・・。コレって。

・・・それに対して、『欲望』となると・・・あまりイメージできないでいるのですが・・・。
未知なるものを知りたい・・・なんてことは、『欲望』になるようです。

例えば、自分の未来を知りたい・・・とか・・・。
今は、その感覚が、凄く強いのだけれど、何のてだてもありません。
ひとの未来なんて、誰にも分からないのだし・・・。