寒い・・・寒い・・・と言いながら、実は、録溜めしておいた去年のドラマを見ている日々であります。
今日のお題 『偽装の夫婦』。
納得のいかない最終回だとか、ありえね~だとか、スッキリしない・・・と言った批判が多ぅございました。
まあね。旦那さんゲイで、結局、親友以上になれない奥さんとそれでも同居続けるんだもんね。
実は、私は、第9回で、25年前に別れた恋人同士が、再開し、夫が、ゲイであることを隠すため、余命半年と言われている母親(冨司純子さん)のために、偽装結婚して、それが、バレて、お互いに同性同志のパートナーを見つけて最終回・・・だと思っていました。そしたら、まだ1回。最終回がありました。
一度、離婚し、再び、結婚する・・・夫婦生活なし・・・というオチでした。
でも・・・。私的には、面白いと思いました。
それは、ひとえに、女優・天海祐希さんが、演じる嘉門ヒロさんが、『女』を感じさせない・・・宝塚時代の男役・・・の延長上で、現実にも、美しい女性なのだけれど、何処か中性的で、清潔なイメージであったからでしょう。
25年前に振られてから、人間不信に陥り、取繕った笑みを浮かべ、心の中では、毒づく・・・という本好きで、司書を仕事とし、図書館で働く、嘉門ヒロは、現実を避け、本の世界に逃げ込み、本を読んでいるときだけが、しあわせでいられる・・・そんなキャラクターが、私のフラクタルとも思えたからです(現実には、似ても似つかないのですが・・・)。
嘉門ヒロは、3歳のとき、火事で両親を失い、母親の妹に育てられます。
優等生のヒロは、勉強、運動、音楽、ダンス・・・なんでも人並み以上、完璧にこなしてしまう才能をあたえられますが、彼女が全力を出して、人を助けると、助けた人が、不幸になってしまう・・・という巡り合わせの悪さ・・・というか・・・そんな宿命のようなものをもっているひとのようです。
出来の良いヒロに対し、叔母であり、養母である郷田照乃(キムラ緑子さん)は、自分の子供である天人(佐藤二朗さん)、八重子(坂井真紀さん)の不出来さもあって、ヒロに冷たくあたります。
孤独の中で、育ったヒロは、いつしか人間嫌いに。そんなヒロは、25年前に振られた陽村跳治(沢村一樹さん)に再会し、偽装結婚を頼まれてしまいます。
跳治の勤める保育園で、ひとり浮いてしまう園児・有羽の母親で、夫のDVで、足が不自由になり、女性しか愛せなくなるシングルマザーのしおり(内田有紀さん)から、告白され、更なる面倒に巻き込まれていくヒロ。
同性愛者の跳治、しおり・・・普通ではない愛の形の中、ひとり、爽やかにトラブルに巻き込まれてしまうヒロ役に、うってつけだったのが、天海祐希さんで、彼女以外の女優が、この役をやったら、かなり生臭くなるのではないでしょうか・・・。
跳治の母親で、不治の病という大嘘をつくのが、かつての緋牡丹お竜・藤純子さん。
あのお竜さんもバアさんになったなぁ・・・。
シニカルで実子にもぶっきらぼうにあたるヒロの叔母役のキムラ緑子さんもいい味だしているし、天ちゃん、八重ちゃんの兄妹も好演。
ドラマのストーリーは、ちょっとヘンなところが沢山ありましたが、ユニセックスというか、中性的というか・・・アラフィフ女優さんには、稀有な存在なのではないでしょうか。
それなりに楽しめました。