友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

そのツケはいつも大きい

2021年12月02日 17時37分51秒 | Weblog

 5期13年にわたって日本大学を牛耳ってきた田中英寿理事長が辞任した。自宅から1億円以上の現金が見つかり、所得税法違反の容疑で逮捕された。「事実無根」と主張していたが、「これ以上抵抗すると、大学の存続にかかわる」として辞任を決意し、了承されたのだ。

 日大は日本一の学生数を誇る大学である。私の高校からの友だちは、何代か前の総長の息子だが、事情があって養子に出されたと言っていた。日大闘争が激しかった頃彼は、「全共闘の秋田議長と話し合ってくれ」と総長である父親に頼んだと言う。

 日大には芸術学部があり、その中に映画学科があった。映画監督になりたいと思っていた私だが、日大は選択肢には無かった。私大は入学金も授業料も高く、東京で生活させる余裕は我が家には無かった。父が3年の1月に亡くなり、大学進学さえ難しくなった。

 そんな憧れた大学だったのに、ピンハネが横行していたとはビックリだ。長く権力の座にいると、どうしても権限が集中するし、さらにそれを維持しようとする。甘い汁を吸った者はそれを隠し、もっと吸い尽くす工夫をし、いっそう反対する者や抵抗する者を排除する。

 長く権力の座に留まって、清廉潔白でいられる人はいないだろう。大学がどのようにして運営されているのかよく知らないが、どんな組織でも民主的な運営を行うためには、順次交代できることが大事だと思う。議論できない組織は必ず後退するからだ。

 日本人は「まあまあ」と事を荒立てることを嫌う。優秀な人がいて、リードしてくれるなら任せてしまう。「楽」な道を選んだつもりだが、そのツケはいつも大きい。友だちはこの日大騒動をどう見ているのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする