友々素敵

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からくり人形と空人間

2013年05月26日 19時29分06秒 | Weblog

 昨日の市民講座『からくりに学ぶ』は面白かった。日本人はかなり昔から「からくり」に関心があったことを知った。本格的な「からくり人形」が出現したのは江戸時代で、庶民の間にまで広がったようだ。講師の末松良一先生の話では、今日まで「からくり人形」が伝承されているのは、山車からくり祭りのおかげだという。山車からくり祭りは、北は新潟県小千谷、東は茨城県日立、西は福岡県八女、南は鹿児島県加世田と幅広く行なわれているが、最も多いのは愛知県で、名古屋を中心に尾張に集中している。尾張が全体の6割を占めるという。

 実際に「茶運び人形」と「弓曳童子」を見せていただいたが、江戸時代にこんなにも精巧なものが作られたのかと感心した。ほとんどが木と糸によって動くように作られている。その木も用途によって素材を変え、歯車のような高度な精密さを要する部分は硬いツゲを8枚組み合わせて作っている。それだけでも感心するが、それらの細かな部品を組み合わせて、直進ばかりか右回り左回りが出来ることや、ちょっとした動作なのに人形の顔が表情豊に見えるから不思議だ。

 今回は高齢の男性が多かったけれど、これはぜひ子どもたちに聞かせたかった。小刀で鉛筆を削ることもしない今の子どもたちがこんな人形を見たらビックリするだろう。ものを作ることの喜びを知って欲しいと思う。子どもたちが夢中になっていることといえば、なにやら小さな画面でピコピコやっているパソコンゲームだが、身体を使ってものを作るとか、何人かで身体を使って遊ぶものはないのだろうか。

 このところ天気が良いので、出来るだけ早く鉢の土の入れ替えをしようと朝から晩まで頑張っている。とはいえ、午後2時過ぎると、テントを張って日陰を作っていても西日が差し込んでくるので、夕方になるまでは作業は中止である。長さ30センチほどのステンレス製スコップをコツコツと小刻みに動かして、古い土にバーク堆肥を混ぜ、それが終わると赤玉土の小粒のものを混ぜ合わせていく。じっと下を向いたまま、こんな作業を延々と行なっている。私の作業姿を客観的に見たのなら、きっと偏執狂としか見えないだろう。

 一言もしゃべらず、屈み込んで、同じ動作を繰り返しながら、未来のことなど考えられないから自ずと昔のことを、ああでもないこうでもないと思い出し、もし、あの時ああしなかったらなどととんでもない方向へと夢想していく。「からくり」のひとつでも考えればよいのに、いつも全く非生産的な思いを廻らし、結局、腰が痛くて立てないほどになってしまい、やっとこさと背伸びをひとつする。「あっ、痛たった!」。

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