人口減少が深刻化している。人間は、先に希望がある時は子どもをつくるが、希望が見えない時は子どもをつくらない。歴史はそれを教えている。NHK大河ドラマ『べらぼう』は、安定した江戸時代が背景だが、飢饉があり米騒動も起きている。
田沼意次は事態を打開するため、産業を奨励した。田畑の開発や、新製品を作るように促し、物流を促進させた。そのためか、利益に預かろうとする商人らの賄賂が流行り、賄賂を受け取る悪人のイメージが強い。人は日銭が手に入れば物品を買うし、買えばさらに物品は量産される。
東北の米沢藩の上杉鷹山は、小さな藩なのに多くの侍を抱えていた。関ケ原の戦いで西軍だったため、新潟から山形の米沢に追いやられたが、家来を温存したためだ。苦しい財政を克服しようと、田沼意次に習って(?)産業の振興に努めた。
先日、ロシア経済の仕組みをテレビで見た。ウクライナとの戦争で、軍需産業は好景気となり、関連する事業も潤っていた。でも、そもそもその原資はどこにあるのか、疑問だった。結局、日本もそうだけれど、債権を発行し借金を先延ばしにしているのだ。
景気がよくなり、物品が流通すればお金も回る。お金が回っていれば、人々の不満は起きない。産業革命で飛躍的に増産出来たイギリスは、世界の覇者になったように、どこの国の指導者も産業を奨励し、豊さを創りたいのだ。
上杉鷹山の「為せば成る 為さねばなりぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」は有名な言葉で、高校の時の教師が、私たち生徒に向かって言っていた。「そりゃそうだろう」と頭でわかっても、「あんたたちはそう言ってりゃーいいのだから気楽なものさ」と腹では反発した。
でも、私たちの時代は「いつかはクラウン」と、先に希望があった。我武者羅に働いても何の苦も無かった。車を買い、家を建て、世界旅行を楽しむ、そんな時代だった。けれど今、孫や曾孫の時代を想像することが出来ない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます