俳誌「ひいらぎ」1月号!
〜 現代俳句の鑑賞(150) 〜
【岸本孝雄氏 句評】
水輪より出でぬ一生みずすまし
永田 満徳
(「俳句」2024•11月号「蛇笏の忌」より)
ぴょんぴょんと水面を自在に跳んでいるみずすまし、しかしよく観察してみると、自分が跳んで作った水輪を飛び出すことは決して出来ないことに気付く。客観写生とは主観を交えずに対象を客観的な立場でよく見ること、これが写生の極意。虚子は「一つの対象から目をそらすことなく、あくびが出るまで見よ」といった。小路紫峽師はその前で三十分は佇むことといわれた。時間をかけて対象を眺めていると、今まで見えなかったものが見えてくる、それが「発見」。それを十七文字に読めばいい。簡単に見えるものを詠んでも誰も感心しない。人に見えないものを発見し、それを表現することによって人は感動してくれる。 ※「ひいらぎ」、ご恵贈頂きありがとうございます。 ※高浜虚子の「一つの対象から目をそらすことなく、あくびが出るまで見よ」という言葉を肝に銘じます。
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