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【107ページ】
----、ジョージ・ルイカー氏の「日本料理は女房の味」が、ある。この中では、
----いわゆる料亭と名のつく様な場所では、高級料亭である程、それに正比例して、中身は益々少なく、容器は増々大きくなる様である。----
【127ページ】
米久は、一人前50銭(?)から食わせた、大衆向けの牛鍋屋で、しかも、その50銭の牛鍋の真ん中には、牛肉が塔の如く盛り上げてあったものである。
米久は、いろはの如く、方々に支店があり、どの店も安いので流行っていた。
[ken] 中身と容器の関係については、とくに昨今、たしかに家庭や居酒屋でも容器優位となっています。私自身、昨年から台所に立つことが多くなり、配膳に当たっては中身と容器のバランス、色合いまで考えるようになりました。127ページの米久は、ハムソーセージメーカーのイメージが強く残っています。まさか、「いろは」と肩を並べる牛鍋屋さんであったとは、初めて知りました。世の中、本当に分からないことだらけですね。
「あれっ、本当にそうかな?」とWeb検索してみたら、米久株式会社と米久を混同していました(冷や汗。お恥ずかしい限りです)。
豚肉から作るハムソーセージの「米久」は米久株式会社のことで、静岡県沼津市岡宮に本社を置き、現在は伊藤ハム米久ホールディングスの傘下にある大手食品メーカーでした。
一方、牛鍋屋の米久は、浅草寺の裏手で1886年に操業した老舗のことです。文明開化の頃から店を構えていたのですね。というわけで本書の米久は、浅草の老舗牛鍋屋さんの米久でした。(つづく)