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【173ページ】『巴里と東京』福島慶子(暮らしの手帖社 昭和30年2月)
「たべものの話」は、終戦後間もなくの随筆であろう、配給の食生活を嘆いて、
===それにしてもかく迄落ちぶれたのもみんな東条一派のお陰だと思うとこの事だけでも決して許せない気がする。===
と怒っている。実に同感である。
【175〜176ページ】『味』秋山徳三(東西文明社 昭和30年2月)
著者は明治21年生れ、大正3年から宮内省大膳職主厨長になった人である。
「黄金の箸と黄金の皿」から始まる。生い立ちの記、いたずら行状記から、見習いコックの苦心談。----
「天皇のお食事」を読むと、それが如何に質素であるかが判り、お気の毒と思った。
「真心がつくる味」著者は、ものを食べ歩いても、
===ああうまいと心酔することが出来ないのである。商売のかなしさである。===
と嘆き、一番うまいと思うのは、結局、家庭料理だと言っている。
[ken] 現在NHKで放送中の「とと姉ちゃん」は、「暮らしの手帖社」を創刊した女性が主人公です。驚くべきは、広告を掲載しない方針の『暮らしの手帖』がいまだに発刊されていることです。職業婦人がどれだけの試練をくぐり抜けてきたのか、「女性活躍推進」が叫ばれている昨今、とても参考になる番組だと思います。それから、175〜176ページの秋山徳三さんについて、私は昨年のテレビドラマ『天皇の料理番』で知りました。ロッパさんの「一番うまいと思うのは、結局、家庭料理だ」という感想に、私も深く同感させられましたので、今後とも自分が当番の日には、精魂込めて料理と向かい合おうと思います。(つづく)