劇作家・戸板康二著「ことば・しぐさ・心もち」(TBSブリタニカ刊行、1990年11月8日)を読み終えました。
自分の慣例に従い、たばこに関する記述を抜き書きしてみましたので、以下、ページ順にご紹介させていただきます。
◎ 道を教えてもお礼を言わない人が多い、という事例が書かれています。ちょっとしたことですが、大事な作法ですね。
【34ページ】
「ありがとう」のついでにいえば、私の知人に渋谷の劇場の近くの煙草屋がある。その店先にいて、劇場の所在を聞かれ、指差して、「この先200メートル」といって、うなずくのはまだしも、そのまま立ち去る若者が多いと嘆いていた。いちいち腹を立てると、体に毒なので、劇場名と矢印を書いた紙を店の脇に張り出しておき、無言で指さしすることにした。
◎ 料理を美味しく食べてから一服するということですね。食後の一服というのはあってもあっても、食前のたばことは言いませんね。
【87ページ】
ホテルの宴席で食卓についた時、いきなり、タバコを吸う人がいる。これはものを知らない、悪い習慣だ。灰皿をある時まで、出さないでいれば、これは防止できよう。
【110ページ】
ついでに書くが、紙屑や煙草🚬の吸殻や果物の皮が昔のようには、道にあまり落ちていない。これは習慣として、注意するようになったのであろう。痰を吐く人もいなくなった。
【200ページ】
◎ 誤植を一つ発見!
----女性が、気丈に表現を変えずにいて、テーブルの下においた手のハンカチを固く握って----
ここでの「表現」は「表情」ですね。
◎ 今はどうかしれませんが、かつては黒沢監督、市川監督、つかこうへいさんを含め、映画や演劇の現場ではたばこ🚬が普通にあったのですね。
【201〜202ページ】
演出家で、俳優が自分の考えたようにできないと、灰皿を投げつける人がいるらしい。(今は亡き)蜷川幸雄氏がそれをするそうだ。亡くなった菊田一夫氏も、そうしたそうだ。すると俳優は心得ていて、ヒラリと体をかわすのだ。