私のブログでの新幹線と第三セクターについての記事を読んで「在来線3セク化を身をもって体験した富山民」という方からコメントをいただきました。
JR時より3セク化により不便になったことの指摘とともに、鉄道ネットワークの破壊であるに怒りをこめられています。
その通りだと思います。
ある意味、行政も想定しえたはずの不利益が北陸本線の3セク化で拡大しているのです。地域住民や地域への観光客の利便性低下を押し付けながらの整備新幹線の促進は、ますます東京集中と地方疲弊を加速するのではないか、と不安は増大します。
今からでも改善できる点の改善を求めるためにがんばります。ご意見、ご提案お寄せください。mmasao.sato@gmail.com
以下、とどいたコメントです。
■コメント
こんにちは。
北陸本線を守るべく奮闘されている姿に頭が下がります。
北陸本線金沢~直江津、信越本線直江津~長野の3セク化より3年が過ぎようとしています。近畿から東北への交通の中を受け継ぐ役割を持つ、一続きの北陸本線。それが県という縄張り意識のもと、輸送体系の連続性はニの次に、3会社に分断する愚行がまかり通りました。
はっきり言いますと、3セク化により以前より不便になったと言えます。
まず、運賃計算は会社毎に別個になり、それぞれの会社を跨がって利用する際の運賃計算は煩雑になりました。特に会社境界駅の前後区間の跨がり利用では特例の割引運賃が設定されたものの、運賃の高額化が起こっています。
次に富山県~新潟県への直通列車が極端に少なくなり、泊駅での乗り換えが強いられるようになっています。富山県と新潟県の間の流動が富山県と石川県の間のそれより圧倒的に少ないのは事実ですが、新潟県境跨がり利用をよくしていた私には差別的な扱いと感じました。泊駅では乗り換えとなる2列車が同一ホームに入るため、一方の列車は入駅前に誘導信号機で一旦停止、それから徐行で入駅します。入善から糸魚川へ行く場合など、直通運転していた頃より所要時間が伸びてしまいました。
そして、直江津から富山へ向かう上り最終列車の時間帯が前倒しされ、新潟方面での滞在時間がシビアになっています。
また、以前は使えた青春18きっぷの利用が不可となったことも見過ごせません。北陸本線は近畿から東北地方への幹線ですから、帰省シーズンなどには安価に旅行できる青春18きっぷを使う利用者も少なからず存在します。こういった客層は全く新幹線の恩恵など受けていないのに、明らかに割を食っています。
このようなマイナス要因から、私自身3セク化後はマイカーでの移動が増えました。
福井県下の北陸本線も3セク化されるとなると、北陸本線は4社分断。直通利用の場合、今にも増して厄介なことになりそうです。しかも厄介を被るのは新幹線の恩恵など関係ない地域へ向かう利用者、青春18きっぷ利用者です。
日本の鉄道は明治時代、民間による敷設が先行したため、事業者が乱立し、円滑な輸送に障害を来しました。それを正すため、鉄道国有化法により、国による一体運営がおこなわれるようになったのに、このネットワーク社会に時代を逆行するような3セク会社乱立の動きに大きな怒りを感じます。それがニッチな利用客層も含めた公共の利便性の維持という視点からではなく、整備新幹線建設促進とJRの経営云々という視点から進められているところ、我が国の病的な一面であると思います。