昨日は県議会一般質問。豪雪災害への対応、原発事故と重なったら?、災害救助法活用の課題などをただしました。
また、国体で除雪作業の方々の顕彰の場を。将来北陸線第三セクターが災害で不通となった場合の新幹線活用策を。豪雪記録誌の発行を。などを提案しました。
今日の県民福井より
◆質問内容です1、 豪雪被害への対応について
――― 引き続き県民の暮らし、営業、営農を守るために全力を
日本共産党の佐藤正雄です。
まず豪雪災害について質問します。今回の災害に当たり、わたしども日本共産党は2月7日に緊急に福井県に要望をおこないました。その内容を紹介します。
1、未曽有の雪害となっており、さらなる降雪も予想される情勢のもとで、これまでの災害について躊躇なく災害救助法の適用を政府に対して求めて、国の財源で被災者救援の手だてを機敏に講じられる態勢をとってください。
2、福井市内などでは除雪しても、雪の置き場がない家庭が多数となってきています。来週の降雪に備え、日曜日までに排雪デーをもうけて各家庭の雪を排雪する対策などを講じてください。
県としても県民の排雪作業が円滑にすすむように、排雪場所の拡大をすすめてください。
3、高齢者のみ世帯では除雪作業が困難であったり、買い物にでることができないケースがあります。公民館などの一定のスペースを当面の「避難所」として開設し、生活支援をおこなうよう市町と協議してください。
4、以前の豪雪時にはあまり課題とならなかった高齢者世帯や空き家、空き工場などの除雪、排雪対策などの課題に対して、市町とともに必要な財政措置を講じてください。その際、民間ボランティア活動では困難な高齢者世帯の屋根雪の除排雪作業についても自衛隊への災害支援要請の任務に位置付けることなどを検討してください。
5、高騰しているガソリン、灯油などの不足も報道されています。年収200万以下の貧困世帯・高齢者世帯にたいして福祉灯油など現物支給の施策を講じてください。
6、バリアフリーはこういうときにこそ発揮されなければなりません。歩道除雪がおこなわれず、歩行者が車道を歩かざるを得ず、大変危険な状況がつづいています。学校付近の歩道はもちろん、これだけの災害にふさわしく歩行者の安全確保の歩道除雪をすすめること。
7、今回も高速も国道もストップし、「陸の孤島」のように福井県の災害が報道されています。
これまでは、敦賀―越前市間の渋滞発生が繰り返されましたが、今回はあわら市・坂井市でおこりました。
スタックする車両防止が基本ですが、1500台も関係する大災害となったことは、早期発見と誘導対策の失敗といわざるをえません。人権と健康に関する事態であり、そもそもの原因解消策とともに、仮にスタックが発生した場合、後続車両をどこで別ルートに誘導し渋滞の拡大を防止するか、などの対策をシュミレーションして準備するようにしてください。
8、連日の除雪・排雪作業で県民の疲れもピークとなってきています。作業の安全対策・健康管理の広報をつよめてください。
以上の8項目でありました。
また、私自身も、福井商工会議所、JA中央会で被災状況などをお聞きしてきました。今後、さらに被害が広がりかねない分野であり、県として具体的な支援メニューをしめして、営業と営農を励ましていくことが必要です。
まず、交通問題について質問します。
今回の国道8号線の混乱・渋滞の原因の根本は、福井県を縦断するもっとも重要な幹線道路である「北陸自動車道」の「通行止め」です。これまでも、まず「北陸自動車道」の通行止めが先行し、国道8号線が混乱・大渋滞となることが、何度も繰り返されてきました。(そのため、NEXCO中日本の除雪体制の強化を、県・国交省も求め、一部、今庄~滋賀県の区間で運用の改善等もされたようですが、根本的な改善である除雪機械等の増強・頻度の増等は不十分であります。
●そこで、これまでも提案してきましたが、北陸道は低速走行であっても止めないように最大限の努力を求めるべきです。先頭に除雪車を3台並走させる梯団除雪をおこない、スピードをコントロールし、事故を発生させない体制で冬季の交通の確保をつよく求めるべきではありませんか。 また国道8号線については、国土交通省はストップ & ゴー作戦、通称SG作戦をおこなうようです。しかし、今回の問題は、この区間が国や県の除雪計画の警戒ポイントからはずされていたこと、また、交通障害が発生しても起こるままにまかせて他路線への誘導で立ち往生車両発生の抑制策がきちんととられなかったことです。全国ニュースでも失態が繰り返し報道されました。国と県は、今回の事態をどのように反省し、改善策をつよめるのか、おたずねします。
●今回の幹線道路、生活道路ふくめた混乱のおおもとには、土建業者の弱体化、オペレーターの不足、機械の不足が根本の問題ではないでしょうか。全国でも、公共事業の減少にともない、地方の建設業者の減少、職員の高齢化等による技能者やオペレーター減少は著しいものがあります。福井でも、土建業者に機械があったとしてもオペレーターは一人しかいない状況もあります。当然無理がかかり、今回も業者の専務さんが犠牲になられました。
この点で、これまで会派を超えて要望しているように入札制度を地域力を高めるものに改善することが必要です。地域の建設業者衰退に手を打たないまま、災害や豪雪の時だけ「土建業者、頼む、頑張れ」といっても無理にきまっています。地域に密着した業者を確保していく「公共事業の適切な発注方針」を確立すべきです。大手ゼネコンの事実上の「談合」には甘く、地域の中小零細業者には「厳しい」この状態を改善すべきです。地域の建設業者を社会資本そのものと位置付けての制度改善にすべきではありませんか、知事の見解をおたずねします。
あわせて、今年開催される福井国体の開会式や入場行進などで、今回の豪雪への対応で昼夜を分かたずご奮闘いただいた土木建設業のみなさん、県立体育館など国体に向けた新たな施設建設に作業に従事した建設会社・労働者なども希望すれば、開会式や入場行進に参加できる企画を組んでいただきたい。このような企画をとおして災害時のライフラインの確保や建設事業に従事されている方々に県民が敬意をあらわす場面をつくり、県内建設業界への若い方の就労促進のPRの場面ともしていただきたいと考えますが、知事の見解をおたずねします。
交通問題の大きな2点目は鉄道についてです。
知事は代表質問への答弁で「雪にも強い新幹線を早く大阪まで」と述べられました。
56豪雪の時は国鉄でしたが、特急急行とも全部運休したのは3日間、普通列車が全部運休した日はありません。特急急行が完全ストップした3日間も普通列車は本数の半分程度の60本ぐらいは運行し、県民の足を守り抜いたのであります。まさにかならず列車は運行しようという国鉄の仕事人だましいであったと思います。広域連携で東北から除雪車両も持ち込まれました。
今回の豪雪で新幹線はトンネル効果や高架での排雪、融雪対策がゆきとどいていますから、その効果が実証された、と報道されています。そのとおりでありますが、現在の北陸本線でもかつては住民の足を守り抜けたことを忘れてはなりません。そうでないと災害時の県民の足を守ることは北陸本線を引き継ぐ第三セクターではできないことを認めてしまうからです。
今回は、特急はのべ5日間、普通列車も2日間にわたっての運休でした。分割民営化されてこういう点では脆弱になったといえます。
かつては越美北線でも、運転席の窓の半分が雪でうまるような積雪であっても、運転士は、さあいくぞ、と号令をかけ、30メートルほどバックしてスピードをつけて雪をけちらして運行したもんだ、と関係者からお聞きしました。
県民住民の生活を支えているんだ、という迫力、気概を感じたところです。
今回のJRの状態に知事もJRに苦言を述べています。
そこでおたずねします。
新幹線敦賀開業後は、石川県境から敦賀までの長大な北陸本線の保守改修や運行について福井県などが主体となる第3セクターが責任をおわなくてはならなくなります。私自身は、これまでのこのように地方に過大な負担を押し付ける政府与党合意のスキームの見直しを要求しています。
しかし、スキームの変更がなされない限りは、今回のような豪雪時など災害時の運行体制もしっかり考えておかなくてはなりません。
そこで提案します。
●JR路線である間に、今回の豪雪をふまえて不備が明らかとなった課題の解決を求めるべきです。それは、除雪機材や除雪車両の充実などハード面、さらには積雪で簡単に運行を取りやめるような社内の気風やマニュアルなどの改善をJR西日本にたいして求めるべきではありませんか、知事の見解をおたずねします。
また、新幹線敦賀開業後に豪雪や豪雨、大地震などの災害により敦賀までの第3セクター鉄道の運行が不可能な事態となった場合、第三セクター鉄道の定期券などで通勤通学している県民のために新幹線料金をはらわずとも新幹線利用が可能となる県民の交通確保のための災害援助協定のような仕組みをJR西日本との間にもうけるべきではありませんか、おたずねします。
●ところで、56豪雪の時は福井県として「56豪雪の記録」を9月に発行しています。気象データ、被害の状況と措置状況、県や国鉄、京福、福鉄など各機関の活動を詳細かつコンパクトにまとめられている貴重なものであり、今回、私も参考に読ませていただきました。
当時は福井新聞社も記録集を刊行していますが、県として今回の豪雪について、今後の被災支援の活動状況もふまえた記録集を刊行し、今後の対策にいかすべきではありませんか、見解をおたずねします。
2、原子力行政
つぎに原子力行政に関して質問します。
内閣府が高浜原発再稼働につづいて大飯原発再稼働で、同時に事故がおこってもそれぞれの防災計画で対応可能、と発言したことがマスコミでも報道されました。
避難先が重なっていないとか、高浜・大飯それぞれの個別計画を応用してやるんだ、ということのようです。しかし、高浜と大飯のどちらのオフサイトセンターに災害対策本部をもうけるのか、や地域住民ではない、たとえば敦賀や舞鶴などから通勤している方々、観光にこられている方々などへの事故時の周知と避難誘導の課題など計画を練り、訓練をおこなわなければならない課題は山積しています。
さらに新潟日報の報道では、すぐには避難することにはしない5キロから30キロ圏の住民も、実際には、行政の思惑通りには行動せずに、原発事故の際は自宅退避よりもより遠方への避難行動をとる方が少なくない、と報道されています。
●私は大飯原発再稼働前の住民参加の避難訓練の実施を求めてきましたが、山積する課題にたいして県はどのように県民理解をすすめ、具体的な住民参加の避難訓練を内閣府や関係府県とともにおこなうつもりなのか。県民の安全に責任を負う立場でしっかりとお答えください。
●さて、今回の豪雪では嶺南地域から嶺北地域へ安全かつ迅速に避難できないことが明らかになりました。56豪雪の際には福井でも敦賀でも2メートルちかい積雪でありました。
また、嶺北地域から災害対応の拠点となるオフサイトセンターへの知事や県職員の参集も容易ではなく、資機材輸送やバスなどの手配も困難を極めるであろうことも想定されます。
原発の稼働がつづけば、積雪時の事故想定にもそなえなくてはなりません。
今回、あるいは56の時のような豪雪時を想定した避難計画を策定すること、シュミレーションをおこない、まず課題を洗い出すべきではありませんか、見解をおたずねします。
3、 福祉行政
つぎに福祉行政に関して質問します。
かつての56豪雪での被害状況は、死者15名、重傷者55名、軽傷者79名 合計149名。半数は屋根雪除雪中によるものとなっています。住家被害は全壊37棟、半壊40棟、一部損壊2750棟。非住家の被害は全壊347棟、半壊126棟でありました。
今回の豪雪では、死亡者12名、重傷者25名、軽傷者86名 合計123名。8割以上が屋根雪おろしなど除雪作業中の被害です。住家被害は半壊、一部損壊など33件、非住家の被害は半壊以上68件となっています。
●今回、福井市はじめ9市町に災害救助法が適用されました。機敏な適用だったと思います。
しかし課題は、災害救助法を活用して、最大限、県民が受けられる支援内容を伝える点でどうだったか、です。
たとえば、災害救助法による障害物除去は、屋根雪下ろしや、家に出入りできないような積雪の排除も内容にふくまれています。しかし、15日時点の集計で6市町の19件、にとどまっていました。代表質問への知事答弁では、300件と大幅に増えたことが報告されました。わたしも県や福井市などに要望をかさねてきました。しかし、300件で十分なのか、が問われます。
56豪雪の際には、除雪労務あっせんとして母子家庭、老人、身障者宅などへ 2191件おこなわれています。今回も高齢化社会の進展をかんがえれば、それを超えるニーズが発生していたと考えるのが妥当ではないでしょうか。果たして、高齢化社会にふさわしい対応がとられたのでしょうか。
56豪雪時同様に、今回も屋根雪下ろし中の転落死やケガ、除雪中のケガが相次ぎました。
雪害時には、人命第一に、災害救助法での屋根雪下ろし支援などの機敏な対応をつよく求めたいと思います。
そこでこれまでは300件ということですが、今回については、高齢者世帯や母子家庭、障がい者世帯などがおこなった屋根雪下ろしなどをひろく災害救助法適用、または準用し、公費で支援すべきではありませんか、見解をおたずねします。あわせて、自力で屋根雪下ろしができずに、業者を通じておこなった世帯数についてもお答え願います。
また、56豪雪時には生活保護世帯の除雪費として1世帯65000円を支給した、と記録されています。
今回は屋根雪おろし12万、除雪3万という制度の枠だそうですが、今日までの豪雪被害の嶺北地域における制度の周知ならびに利活用状況をおたずねします。