前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県議会。特急存続、原子力防災訓練の検証、福井市中核市の課題、屋根雪下ろし支援

2018年09月06日 | 福井県政

 昨日は県議会一般質問で特急存続、原子力防災訓練の検証、福井市中核市の課題、屋根雪下ろし支援について取り上げました。

ひきつづきがんばります!

   今朝、北海道で巨大地震。泊原発は電源喪失、運転停止中で良かった。非常電源で燃料プールは冷却、と報道。

   鉄道、高速などストップ。広範囲に停電。こうした想定で原子力防災訓練も行なうべきでしょう。

   被災された道民の皆さんにお見舞いを申し上げます。

 

 福井新聞より

 

県民福井より

 

 

 

■質問内容

 

1、今より不便になる新幹線を県民は望まない  ―― 特急存続を

 

 日本共産党の佐藤正雄です。

 北陸新幹線へのFGT導入が事実上見送られることが明らかになりました。

これは、県議会や知事も明確にするように求めてきたことであり、当然だと思います。

 問題は、ではFGTでカバーする予定だった利用者の利便性の確保を特急存続によって確保できなければ意味がありません。いくら敦賀駅での乗り換え利便性を改善するといっても、実際に、全員が降ろされての乗り換えが発生することには変わりません。

 つまり現行のサンダーバード、しらさぎで確保されている利便性をFGTで代替しようとしたが、それができないのであれば、当面は特急存続しかあり得ないというのが全会一致で採択された県議会意見書の趣旨でもあります。

 知事は代表質問への答弁で、「時間短縮効果も余り期待できない結果になりますので、フリーゲージトレインを想定した県民の利便性は低下することになります。

敦賀駅発着の全ての新幹線と、乗り継げる特急ですね、サンダーバードやしらさぎなどの確保、これが大事でありますし、また、大阪、名古屋方面からの特急の乗り入れなどの利便性確保が重要であります。国交省やJR西日本はこうした利便性確保を実施するべきであり、一昨日、29日に新しい鉄道局長にこのことを要請した。そうしたところ、JRや並行在来線会社とも問題意識を共有したうえで解決策を探っていくと回答なされた」などと答えました。

 

そもそもこの問題は福井県が引き起こした課題ではなく、福井県のJR利用者だけの問題でもありません。北陸、関西、中京のすべての利用者の利便性に関係することであり、ほんらい国が一元的に取り組まなくてはならない課題です。FGT開発に予定していた数百億円もの開発予算を、特急存続という代替措置の確保のために振り替えるなどしてでも国の責任でおこなうべきです。

 

● 利用料金は高くなり、不便になる新幹線をつくるようでは県庁も県議会も県民に顔向けできません。関西と北陸をむすぶ北陸本線の高速鉄道の歴史にも大きな汚点を残すことになります。わたしたちの代に恥ずかしいことをしてはなりません。

 FGTが断念なら、政治力の結集をはかり、特急存続で現行の利便性を失わないようにすべきではありませんか、鉄道局長の回答についての評価と、現在の利便性確保への知事の決意をおたずねします。

 

 

 

2、本州で唯一稼働する福井の原発と防災訓練

 

 8月25、26日に大飯原発、高浜原発同時発災を想定した原子力防災訓練がおこなわれ、私は2日間とも視察しました。

福島原発事故では第一原発の4基の原発でシビアアクシデントとなり、10数キロ離れた第二原発も危機に陥りました。

 当時は近接した原発再稼働の見直しが規制当局からも語られていましたが再稼働推進の安倍政権の下でお構いなしとされてきています。

 しかし、多くの国民、県民は再稼働をのぞんでおらず日本共産党や社民党、立憲民主党、自由党が野党共同で国会に提案した原発ゼロ基本法の成立と実現が待たれています。

 放射能放出を想定した訓練よりも原発をやめて欲しい、は少なくない参加者の率直な気持ちだと思います。そのことはマスコミでも報道された、原発事故でも故郷から逃げたくない、と語った住民の談話からも痛いほどくみとることができます。

 福井県内でも市民と野党の共闘をすすめ原発ゼロ実現へがんばる決意であります。

 

 さて、今年は猛烈な猛暑がつづきました、

県内各地でも最高気温を更新しました。しかし、いま本州で再稼働している原発は福井県の原発だけです。宮城、茨城、静岡、新潟、石川、そして福島第二も停まったままです。それでも首都圏はじめ各地では節電要請もだされず、猛暑という災害の中でエアコンの使用が促進されました。

 本州各地で福井県の原発しか稼働していない、これが事実です。それでも電力供給に不安はなく、安倍政権も節電要請はおこなわなかった、これが事実です。

  福島原発事故以前の原発稼働を理想のように描く西川知事の姿勢は改めるべきです。福井県が突出して福島原発事故以前に戻ろうとし、60年延長運転まで地元の反対を押し切って支えるべきではありません。このことは明確に指摘しておきます。

 

 そこで原子力防災訓練についてです。

まず、猛暑の中、訓練に参加された住民のみなさん、関係機関のみなさんに感謝申し上げたいと思います。本当にお疲れ様でした。

 このような訓練はやるなかで課題も整理されてくる、問題点もみえてきます。

仮に再稼働原発がゼロとなっても、大量の使用済み核燃料などがあるかぎり、防災訓練の必要性はなくならないと思います。

そこで今回の訓練の内容についておたずねします。

 

●今回は京都北部での大地震で、多数の行方不明者がでており、死亡者も京都で15人、福井で5人と状況が報告されました。原子炉の炉心冷却が不能になりながら、1日程度の余裕があるという事故進展シナリオでありました。

しかし、このシナリオのアナウンスだけ聞くといろんな疑問がわきます。たとえば、「多数の行方不明がでているのに京都はじめ各自治体からの防災担当者が参集できるのか」「冷却機能喪失からシビアアクシデントまで1日の余裕というのは福島原発事故に照らしてあまりに安全神話ではないか」「震源により近い高浜原発がシビアアクシデントに陥らず、県民が高浜原発に近づきながら避難するのは大飯の想定ありきではないか」「それぞれの原発の事故収束はどのようにおこなわれたのか」などです。

多数の行方不明者が発生している大地震を想定した原発事故の際に、今回のようなゆったりしたシナリオで良いのでしょうか。

大地震想定でありながら、平時の参集体制のように各県、市町から担当者が集まり、ゆったりしたシナリオを作成した動機と、今後の改善方向についておたずねします。

 

●2日目に視察した敦賀市運動公園には小浜市からの避難のバスがつぎつぎ到着していました。ちょうど、汚染想定のバスの除染作業やスクリーニング検査をみることができました。

現場での説明では、「自衛隊によって水で除染されたあとにでてくる放射能をおびた汚染水については関西電力が引き取る」との説明でした。これは今回の場合、大飯発電所が引き取るということになりますが、おおい町と住民の合意は得られているのですか、おたずねします。また、そういう訓練を関西電力とおこなったのか、おたずねします。

 

●知事は同時事故の想定は必要ない、と強調しているようですが、そういう態度こそ新たな安全神話となりかねません。本州で稼働しているのは福井だけなんですよ。この点もよく考慮して、来年度は、巨大地震などで、大飯原発と高浜原発から同時に放射性物質が放出されるなどの訓練も必要ではありませんか。

 マスコミ報道では高浜原発の地元、音海地区の児玉元町議は、「訓練は茶番じみている。海が荒れている時に原発事故が起きたら住民はなすすべがない」と語ったそうです。

ヘリや船舶での避難はいい天気だからできたのは事実です。

もちろん、深刻な放射能汚染となった住民の搬送の場合は今回の訓練では不十分であります。ヘリや船が汚染されない処置が必要になるからです。

 悪天候の中で、高浜、大飯原発で同時に放射性物質が放出される大事故の想定・・・このような本当にストレスをかけた訓練想定と訓練が必要ではありませんか、おたずねします。

 

●ところで、最近の報道では原発立地自治体から使用済み核燃料の乾式貯蔵を求める声が相次いでだされています。これは、福井県が長年主張してきた、使用済み核燃料など放射性廃棄物は県外へ、との姿勢とまっこうから対立するとともに、使用済み燃料プールに空きをつくり再稼働の保証をめざす狙いがあらわであり、到底容認できるものではありません。このような立地自治体の発言についての知事の見解をおたずねするとともに、このような議論に決着をつけるために県内を放射性廃棄物の置き場、捨て場とはしない旨の県条例を制定する気持ちはないか、知事におたずねします。

 

 

3、福井市中核市と市民の幸福度は逆行

 福井市は27公共施設の廃止や民間譲渡、100人以上の職員削減と給与削減など財政再建計画を発表しましたが、その内容は、市民と職員の暮らしを切り刻むものとなっています。施設利用者や福井市に吸収合併された清水地区や美山地区の住民からは地元施設の廃止に批判や不安の声がだされています。

 こういう事態を引き起こしている福井市に対して、県の保健所施設や職員などを移行する中核市は、財政再建への足かせとなるではありませんか。

 だいたい、市民が利用している施設などを廃止や民間移譲しながら、福井市民にとってさほど具体的なメリットがみえない中核市移行で県事業を移すことはとうてい市民の理解は得られないではありませんか。

知事は6月議会での私の質問に答えて、「福井市においては、現状においても既存事業の中止・縮減や、事業の見送り、職員給与の削減などの対応を進めておられるわけでありますが、こうした厳しい財政状況の中、中核市移行という点に関しましては、保健、衛生、環境分野など移譲される新しい事務を市として適切に処理できるかどうかの検討が必要でありまして、サービスの低下や市民負担が増えないようにと、様々な市民の不安を払拭する必要があるわけであります。」と述べられました。

 しかし、現実的に大幅にサービスの低下や市民負担が増えるのが福井市の財政再建計画です。また、毎日の水道料金についても、来年に2割値上げされ、将来的にはさらに2割の値上げが検討されています。しかも市民へのていねいな説明会開催などはいまだおこなわれておりません。

こうしたなかでの中核市移行は県庁の行政改革と機構のスリム化となる面はあるでしょうが、福井市に大きな負担を強いることになる危険が高いといわなくてはなりません。

福井市が計画している市民の利便性と職員を切り刻む計画と県からの大規模な事業移譲は福井市民の幸福度の向上に逆行するではありませんか。

 知事は代表質問への答弁で、「県としては、福井市が中核市としての仕事を着実に実行し、成果を上げられるよう、当面まずは、行財政体制の改善に全力で取り組むこと、また、市民の立場に立った計画の実行管理体制をしっかりつくること等を求め、市長の決意を確認した」と答えました。

しかし、知事は県議会開会日に、県議会へのじゅうぶんな説明もないまま中核市同意の議案を提出しました。その前日に東村市長の説明をうけ、翌日の議案提出とはあまりに手続きとしてはずさんです。

責任者の決意だけでことがうまくいくなら原発もんじゅの問題などは起こっていないのです。

 

そこでおたずねします。

●知事が6月議会で答弁された、「保健、衛生、環境分野など移譲される新しい事務を市として適切に処理できるかどうかの検討が必要でありまして、サービスの低下や市民負担が増えないように」、との県としての具体的な検証結果を議会にださないまま、議案だけ提案したのは議会軽視ではありませんか、知事の見解をおたずねします。

 

●また、中核市移行については、拙速にならずせめて6年間の福井市の財政再建期間が終わったのちに、計画がどの程度達成されたのかを検証して、県庁も県議会も判断すべきではありませんか。むしろ、財政再建期間の元年に2500もの大量の県の事務事業を福井市に押し付けることは福井市の事務事業を増やすことになることを考えれば不適切ではありませんか。知事の見解をおたずねします。

 

●さらに中核市とセットの重大問題が県議会にはいまだなんら説明されていません。それは、福井市が嶺北地域の市町とすでに協議をすすめている連携中枢都市圏構想についてです。これは福井市と坂井市や大野市、あわら市などが個別協議をおこなうもので事業の共同化などの内容がふくまれます。つまり市町村合併という直接の形はとらないものの、効果としては類似の行政改革効果をゆくゆく期待し、そのために交付税措置の飴玉を配るというものです。

 このような福井市民だけではなく嶺北地域広域の住民にとっても重大な内容が明らかにされないまま福井市の中核市だけを認めることはきわめて危険です。中核市は福井市だけの問題ではないのです。たぶん、福井市以外の県議会議員のみなさんも福井市とみなさんの市町の連携協議内容についての説明はまだ受けられていないのではないでしょうか。

 県議会が福井市の中核市を認めるかどうか、はその全体像が明らかになってからおこなうのが筋であります。全体像がわからないままの審議では不十分です。

 県はそれは福井市とそれぞれの市町の問題だ、と言うかもしれませんが、市町村合併の際には詳細な事業計画と財政計画などが住民と県議会にもしめされてひろく公開されながら議論されたのであり、今回もそのような手続きをふむべきでありませんか。こういう点も今回は県議会と県民に対するてつづきが誠意に欠けるといわざるをえません。知事の見解をおたずねします。

 

 

4、豪雪災害 ――  屋根雪下ろし支援対策の強化を

 豪雪災害対応について、私はこの間、災害救助法適用の際の屋根雪下ろし支援の迅速化や、派遣された自衛隊の活用による屋根雪下ろし支援などを提案してきました。

 先日、福井県の日本共産党議員団として防衛省にこの点での協力要請をおこないました。防衛省側は、非代替制などの条件があるが、個人住宅の屋根雪下ろしに自衛隊が活動した事例はあります、と述べて現地のニーズをふまえて柔軟にとりくめるとの回答でした。

 そこでおたずねします。

●県としても新潟県などの実例を調査されたようですが、今後の災害救助法適用の際の高齢者世帯など自力での屋根雪下ろしが困難な世帯への屋根雪下ろし支援の具体的なてつづき、また、自衛隊への支援要請、についての考え方をおたずねします。