2020年12月18日県議会予算決算特別委員会での佐藤正雄委員の質疑です。
消費増税・医療費負担増問題。
◯佐藤委員 日本共産党の佐藤正雄である。通告に基づいて順次質問する。
まず、暮らしの問題であるが、新型コロナ感染拡大が全国で広がっている。菅政権はGoToトラベルに対する国民の世論の批判が高まる中で内閣支持率が急低下する。そういう中で一時停止ということを決めたわけだが、東京では、昨日820人を超える大規模な感染ということになってきている。医療崩壊の危機も警告されている。ただ、GoToトラベル停止は今月28日からということで、対応もまだちぐはぐだなというように思う。
そこで、コロナ蔓延の中、高齢者の医療費負担増の計画、1割負担から倍の2割負担に増やす。福井県内には対象者が約2万5,000人と聞いているが、こういう皆さんが負担増になるわけである。もともと消費税増税では、高齢者が増えるので社会保障に使うのだということで、5%、8%、10%と増税されてきた。その一方で、この医療費が倍に上がるというのでは全く約束が違うというように思う。消費税増税と医療費負担倍増が県民生活に与える影響、これについて知事はどのようにお考えか、お尋ねする。
◯知 事 少子高齢化が進む中にあって消費税が順次引き上げられている。今回の8%から10%に上がる過程でも、幼児教育の無償化というのが拡大をされたわけであって、そういった意味では全世代にわたっての福祉の向上、これらのために消費税は貴重な財源であって重要なものであると認識をしている。
一方で、そうしたことが低所得の方を中心に生活に大きな影響を与えてはいけないということもあって、様々な工夫をしているところであり、例えば軽減税率、それからポイントの還元だとか、また住宅とか車、こういったものへの減税。そういったことも同時にされているというところである。
また、医療費の関係についても、高齢者の負担を一部上げるということがあるが、これは大きく言うと、今は現役世代がかなりの部分を支えているのだけれども、これから団塊の世代が後期高齢者になっていく、そういう中でこうした若い方々の負担を余りに過重にしないという考え方の中で負担の増を一部求めているところである。そういう意味では、我々も全国知事会を通じて、過重になって受診控えにならないようにということで求めてきたところであって、これに対しても激変緩和措置を講じるということになったわけであるので、一定程度の成果が上がっているかなと思っている。
いずれにしても、全世代にわたっての福祉の向上のために、我々としても今後とも努力をしていきたいと思っている。
◯佐藤委員 もともと国がお金を入れる割合を低下させてきているからこういう問題になるわけであるから、そこをきちんとやれば高齢者負担を増やす必要はないということは指摘をしておきたいと思う。
さて、新型コロナは、年末年始、知事もいろいろアピールされているけれども、どうしても県境を越えての移動というのは、これはふだんに比べれば、帰省とかを含めて多くなる時期になる。
新型コロナの検査と治療体制について、年末年始は医療機関の体制、保健所の体制、県庁・役所などの体制はどのように取り組まれるのか。
また、県として、年末年始にコロナの対応をされる医療従事者、関係者に特別の慰労金、医療機関には特別の支援金を支給してこの年末年始の体制に万全を期すというお考えはあるのかどうか、お尋ねをする。
◯健康福祉部長 まず、年末年始の体制であるが、医師会等の協力をいただいて十分な体制を組ませていただいている。例えば、年末年始の当番医の中で新型コロナウイルスの検査ができる医療機関を確保している。それから、県医師会感染症対策センターというのを休日等に置いているが、これを年末年始も開いていただく。これによって発熱等の場合でも安心して受診いただけるようになる。さらに、各地区の中で内科救急当番病院とか検査対応医療機関というのを設定して、例年の年末年始の大体5割増しぐらいの体制で医療機関が待機しているという体制で臨む。それから、受診相談センターは通常どおり24時間体制で相談をお受けできる体制、入院に関しても入院コーディネートセンターというのを置いているけれども、年末年始、これは平日並みの受入体制でさせていただく。それから、PCR検査を行う衛生環境研究センター、保健所、それから県庁の中の対策チームも交代制にはするけれども、平日とまではいかないが通常の休日以上の体制を組んでいくということである。
それから、年末年始でそういったことに従事していただく方に慰労金ということをやってはどうかということも提案いただいた。本県では、既にコロナ患者の治療や看護に当たる医療従事者に対する特殊勤務手当の仕組みを持っている。これは日額で大体4,000円ぐらいということなのだが、これは他県に比べて最も早い時期にこの制度を持っていて、職員の方々の慰労とか、頑張っていらっしゃることに対してお応えしているということである。
今、他県で、医療従事者に独自の支援をやっていないところが、年末年始に慰労金等の仕組みを持つというところが出てきている。例えば東京都が日額3,000円の制度を設けるということだが、私ども4,000円よりも低い額であって、私どものほうが手厚い内容になっていると思うし、医療体制が逼迫しているところで病院の病床を増やすために特別の医療機関に協力金を支給するという制度を持とうとしているところがあるが、私どもの県は既に受入体制が十分整っているので、事情が異なると考えている。
年末年始も空床補償料とか、しっかり各医療機関を支援する体制が整っているので、医師会等と協力しながら、年末年始も医療体制をしっかりと整えていきたいと思う。
保健所の増員を。国保税減免。
◯佐藤委員 年末年始、そういう体制を整えているということで、福井県の場合は他県と違って、どこでPCR検査なりコロナの検査を受けられるのかというのは発表していない県の一つだから、やはり、そういう点でもきちんと県民にアナウンスをしていただきたいと思う。
それと、知事にお尋ねしたいのだが、実は福井県もそうなのだが全国的に行政改革の中で保健所の体制とかが縮小されてきた。前の知事は日本で一番職員を減らした県だと自慢をされたこともあるのだが、私はいかがなものかと思ったけれども、やはりこういうコロナを踏まえて保健所の体制、あるいは保健師の体制、あるいはそういう検査の体制である。こういうものは新年度に一定増員というか、しかるべき人は増やしていくということも考える必要があると思うが、所見をお尋ねする。
◯知 事 新型コロナを初めとして、現在の保健所、そうした医療を含めた体制をどうしていくのかということであるけれども、今はコロナ禍というぐらい世の中じゅう多くの患者さんが発生して、それを支える体制というのは大変重要になっているわけであって、これについては先ほど部長からも説明申し上げたけれども、いろいろな工夫をしながら福井県の中で守ってきている。保健所の職員も特に4月、5月、足りなくなった時期もある。そういう意味では、必要な人数はしっかりと確保しながらやっていく必要性があるというふうに思うし、一方で、一時的にどうしても足りなくなる部分はいろいろな工夫をしながら、今回もいろいろな形で応援をさせていただいたが、そういう工夫もしながら、全体として最適な体制を組んでいきたいと考えている。
◯佐藤委員 保健師とかに限らないが、県の専門職も年代的に見ればどうしても40代、50代が多くて20代が少ないというようなところはあると思うのである。そうすると、やはり系統的な人材育成も含めて考えていただきたいと思う。
それから、国民健康保険について質問するが、コロナを理由にした減免の状況、コロナ感染による傷病手当の状況についてお尋ねをする。
また、県は、保険料を同じ所得、加入人員なら県内どこでも同じ保険料を目指すという方針を今度掲げられるそうだが、これは医療資源が地域によってばらばらだし、実際の医療費の割合というのも地域によってばらばらなわけである。こういう考慮を抜きに、とにかく同じ収入で同じ国保加入者の世帯なら、福井市だろうと池田町であろうとおおい町であろうと全部一緒にするというのはちょっと乱暴なやり方ではないかと思う。そういう点はどういうふうにお考えなのか。次期運営方針改定の状況とポイントは何かというのを併せてお答え願う。
◯健康福祉部長 まず、コロナに関する減免の状況であるけれども、11月10日の数字で、今年度分795世帯、1億6,020万5,154円の減免の状況である。昨年は628世帯、1,466万400円であった。この割合が大きいかどうかということを見ると、全国としっかり比較できるデータがないわけであるが、例えばコロナの影響を受けた方を対象とする生活福祉資金の利用者の4分の1の方が、全国の数字の合算では国民健康保険料の減免を受けているという状況なので、福井県のこの数字を見ると28.8%ということなので、ほぼ全国並みの水準であると考えている。
それから、コロナ感染による傷病手当金の支給状況は、これも11月10日現在で3件、14万5,900円という状況である。
それから、国民健康保険の運営方針についてお尋ねをいただいた。
これは、今、自治体が、お支払いをいただく市町の住民の方とかお医者様、薬剤師、学識経験者、健康保険協会等で国民健康保険運営協議会というのを持っているが、そこで改定案の審議をしている。この中で保険料水準の統一に向けたロードマップというものを、次の改定まで3年間あるけれども、これで作ろうと。この中に各市町において取り組むべき事項とか目標年次を記載していこうということで、この方法については全市町で合意をしているところである。
こういうことを通じて、まずは議論を始めることが大事であろうと考えており、今指摘があったように、市町ごとに医療費の水準とか医療提供体制に差がある。これをどうやって解決していくかという議論をしたいと考えている。実際には、これは全国共通の課題であるので、この議論の中で国に要望すべき事項なども含めて検討していきたいと考えている。
◯佐藤委員 私が言った趣旨は、例えば今で言うと、1人当たりの保険料は福井市だと10万数千円、池田町とかおおい町だと7万円ぐらいで1人3万円の差があって、自営業4人家族なら12万円差があるわけである。要するに、福井市のほうが高いわけである。だから、人数が多いところに合わせると、どうしてもこれは大変な不利益がほかの地域に及ぶということが懸念されるので、そこは慎重にお願いしたいと思う。
新幹線建設費負担増問題
次に、新幹線について質問をする。
知事は、建設費負担の増嵩について負担を受け入れられる部分と受け入れられない部分とを区分けする見解を出された。その整理によるそれぞれの大体の概算額と、受け入れることができないという部分については新年度の予算には計上せずに国と交渉を続けるということをお考えなのか、選択肢なのかお尋ねをする。
◯地域戦略部長 今回の事業費増嵩分の負担であるが、今月11日の北陸3県要望においても、鉄道・運輸機構の工程管理等に起因する増嵩、これについては地方負担が生じないこと。それから、それ以外の増加に対しても極力生じないような適切な措置を講ずるといったことで要請させていただいたところである。
今回の結果を見ると、2,658億円の増嵩のうち、不調・不落、工期短縮など機構の工程管理の問題に起因する金額として1,693億円、これについては全額貸付料が充てられており地方負担はないということである。
一方で、物価上昇や法令改正など機構の責任とは言えないという部分の増嵩が965億円ということである。その4分の1についても貸付料が充当されたということであり、地方負担の一定の軽減が図られたものと考えている。
◯佐藤委員 昨日の県議会の様子は部長も傍聴されていたのでお聞きになったと思うが、それで納得できるような状況ではないわけである。なぜ工期が1年遅れて、なぜ追加の負担金が百数十億円か、交付税措置をすれば80億円ということであるが実際は百数十億円。しかも安全レベルは、鉄筋の数とかを減らして下がると。なぜそういうことになるのだということが議論になったわけである。だから、今の部長の説明で、とてもこれでいいよということには県議会はならないと思うが、知事はどうお考えか。
◯知 事 先ほども申し上げたけれども、私も、今回、畑議長をはじめ3県の知事、議長とともに東京へ行ったときに、与党それから政府に対して地方の負担がないようにと要請をさせていただいたし、これまでもそういった形でやらせていただいた。それが、1年の工期遅延、それから2,658億円の地方負担分が一部生じたといったところは大変遺憾に思っている。
ただ、先ほども申し上げたけれども、国土交通大臣からは影響のある自治体に対しては国土交通省を挙げて、いろいろな形でそうした影響が最小化する努力をしていくというお話もいただいているので、議会でのこれからの判断と議論も見ながら、私としてはどうしていくのか、一緒に議会とともに考えて進めていきたいと思っている。
◯佐藤委員 昨日、議会に説明に来られたのは鉄道局の次長さんだから、今知事がおっしゃったように、国土交通省を挙げてどういう施策をやるかという答弁ができる方ではなかったのである。だから、いろいろな事業の補助率をアップしてくれるのかと質問をしても、それには答えがなかったわけである。だから、やはり、そういう点ではもっと責任を持った対応が必要だと思うし、今のままではこれは容認できないということは明らかだと思う。
それで、一般質問でも指摘したが、フリーゲージトレインがなくなり敦賀駅部などの工事費が大幅に増えたというのは、これは福井県とか敦賀市に全く責任がないことなのである。だから、やはり、ここの増える部分、特に今回は敦賀駅が大きな問題になっているわけだから、これは仕分としても、全部国で負担すべきだというように交渉できないか。
◯地域戦略部長 指摘の敦賀駅の上下乗換え施設の部分であるが、これについては、経緯としては平成29年に設備の追加認可という形で対象になっている。
前回の増嵩、平成31年の3月であるが、その際には耐震設計基準の見直し等を行って工事費が増えたということである。この部分については貸付料、国費、地方負担、そういったもので負担をするという考え方で対応をしているという経緯がある。
それで、今回の敦賀駅部のこの部分の増嵩分である。具体的には、工事費が大幅に増加した要因としては、実勢価格と乖離した機構の積算によって不調・不落が多発したといったことによって工事費が上がったという部分、それと、遅れた部分を取り返すための夜間工事などを入れることによって工期短縮をする、それによって工事費が上がるといったものである。こうしたものについては、機構に責任がある増嵩分ということであるので地方負担は生じないということにされているわけである。
◯佐藤委員 確認だが、今のは、敦賀駅の工事遅れに関している部分、敦賀駅の工事費の増えた分は、この140億円の中には、一切入っていないという答弁か。
◯地域戦略部長 具体的にどういう割合かというような詳細がまだ我々のところに届いていないというところもある。そういう意味ではである。
◯佐藤委員 詳細が分かっていないのに、そういう誤解を与えるような答弁はちょっと気をつけていただきたいと思う。私は、今言ったような理屈で提言しているわけだから、そういうことをきちんと精査していただきたいと思う。
それで、今回の不調・不落とかを見ると、これは、杉本県政はスタートしたところだから知事ばかりを責めるわけにいかないと思うのだが、いろいろな公共事業が目白押しなわけである。新幹線、ダム、中部縦貫、再開発。だから、これだけどんどん出せば、業者としてもどうしても全部引き受けることができない、不調になる、工事費が上がるというような悪循環も起こっていると思う。県内の業者にすれば、一遍にドーンと出されてもなかなか消化し切れない。だから、やはりコンスタントに長期間にわたって出してもらえるほうがありがたいという声も聞くわけである。だから、そういう点では、公共事業のこの発注の在り方というのももう少し考える必要があるのではないかと思うが、見解をお尋ねする。
◯土木部長 県の公共事業の発注時期の平準化を図るということについては、地域の安全・安心を担う地元建設企業の事業継続を図るという観点から極めて重要であると認識をしている。
このようなことから、年度末における工事の完了時期が非常に重なるとか、年度初めにおける工事の発注の減少といったものがあって、工事量が偏らないようにするために、これまでもゼロ県債を使った債務負担行為とか繰越措置というようなことを行いながら、我々としては平準化に努めているところである。
今後の公共事業の在り方としては、やはり安全・安心の確保、それから県土の発展に資するような道路、河川といったインフラ整備については、国が計画をつくられた強靭化対策とか今後策定する道路整備プログラムといったものも踏まえて、年度間の工事の平準化とか、やはり地域のバランスというものを考慮しながら、計画的な事業費の確保と執行に努めていきたいと考えている。
◯佐藤委員 実際にそうなっていないからこういう質問をしたのである。だから、その点はこれからいろいろ考えて発注もしていただきたい。新幹線だけでも60工区近くあるわけである。石川県も含めて組まれていたけれども。やはり、そういう点は考えていただきたいと思う。
先ほども質問があったが、福井駅前のA街区再開発の完成の遅れでアスベスト除去の増加が要因の一つになっているが、全体の建物のどれくらいでアスベスト対応が求められるのか。
また、埋蔵文化財などの調査については、全体面積のどれぐらいで新たに調査が必要になるのか、お尋ねをする。
◯土木部長 先ほども説明申し上げたように、A街区の再開発事業については、今般、再開発組合が建築設計等を取りまとめたところ、事業の遅れが生じたということで、現在は福井市が工事工程などをしっかりと確認していると聞いている。
今後、県への事業認可変更といった手続が必要なわけだけれども、そういったことを通じて、アスベスト除去が必要になった建物の数とか、それから埋蔵文化財調査の面積、そういったものが明らかになるものと認識をしている。
◯佐藤委員 昨日の報道でもアスベスト被害の裁判の結果なども報道されているが、古い建物が多いからアスベスト含有も多いかもしれないので、その辺は周辺の地域住民の安全、健康にも関わることだから、県としても福井市と協力しながらしっかりと管理監督というか、工事完了をしていただきたいと要望しておく。
原子力県民説明会について。再稼働知事判断について。
最後に原子力行政だが、大飯原発について規制基準に基づく地震動審査の誤りが指摘されて設置許可が取り消されるという大阪地裁の判決があった。昨日、規制委員会と櫻本副知事がお会いになって、この点を指摘されて、きちんと説明をするべきだと要望されたということが報道されており、そうした報告も受けて、これは大事なことだと思う。
それで、規制委員会は、裁判で指摘された地震動のガイド、つまり審査のルールブックを変更すると。これは私らから見れば姑息じゃないかと思うのだけれども、そういう手段まで行おうとしている。こんなやり方では、原発の規制審査への国民の信頼をなくすということだと思う。これについての見解をお尋ねしたい。
併せて、先ほども質問があったが県民説明会について、先ほどの答弁では資源エネルギー庁、関西電力、規制委員会という三者を名指しされたが、これはみんな原発再稼働を認める当事者、推進する当事者である。だから、裁判の結果を受けるのであれば、やはりそういう問題を指摘してきた専門家も含めて公開討論会という形にして、双方の意見でディスカッションするという企画にすべきだと思うが、見解を尋ねる。
◯安全環境部長 大飯3・4号機の地震動については、今お話もあったように、昨日原子力規制庁から「ガイドや審査の考え方は、科学的に適正なものである」との説明を受けたところである。
また、地震動の審査ガイドについて、これは規制委員会の更田委員長が、今月16日の記者会見において「文章の表現に曖昧さがあるので、なるべく一義的な解釈に結びつく努力をする」との説明がある。こうした考えに対しては、昨日説明を受けた際、県として、今回の判決は規制委員会の審査に問題があるのではないかとの懸念や不安をもたらせており、広く国民に国の見解を分かりやすく説明することを求めたところである。
さらに、今後の審査ガイドの解釈について検討するというような場合には、ガイドを作成した当時の委員であるとか、例えばどう伝わるのかというような観点から、コミュニケーションの専門家など第三者の意見を取り入れて、分かりやすく国民に伝えていくよう求めたところである。
このほか県としては、基準地震動の考え方など技術的な内容については、改めて県の原子力安全専門委員会において、規制庁より説明を受け、その内容を確認していくと考えている。
それと、先ほど私が申し上げた説明会である。これについては、基準地震動については審査をしたもの、またエネルギー政策の考え方、安全対策の状況というものを責任ある考え方を示していただくということは重要だと考えており、それぞれ許可を出したもの、工事をやっているものというところから話を聞くということが重要だと思っている。
◯佐藤委員 問題は、コミュニケーションが悪いからああいう裁判の結果が出たということではないと思う。やはり、地震動の審査ガイドに照らして審査がやられていなかったということが問題視されたので、コミュニケーションの問題ではないと思う。
それから、説明会である。これは、先ほどと同じことになるけれども、要するに、あの裁判の結果に対して反対する立場の皆さんだけ集めても、これは偏った説明会になるのではないか、知事。やはり、これは両方呼ばなきゃ駄目である。栗田元知事のときはやったのだから杉本知事もやってください。お願いする。
◯知 事 県内の原子力発電については、これまでも国に対して、また事業者に対して原子力発電の重要性、それから40年超運転の必要性、安全性についてしっかりと県民、国民に説明をするといったことを求めて現在も行われているという状況である。
その上で、今回、大飯原発3・4号機についての判決が県内の全ての原子力発電所に影響のある内容であるということで、それを受けて、国に対して県民が不安に思う、懸念を持っている、こういったことに応えるようにということで説明の機会を設けていくということなので、国、それから先ほど来申し上げている様々な形の関係者、こういった方々から県民に対してしっかりと説明をしていただく、そういう場を設けていきたいと思っている。
◯佐藤委員 非常に残念である。栗田元知事のときには、阪神・淡路大震災を踏まえて、双方を呼んで公開討論というのをやったと思う。今はまだ企画段階だから、ぜひそれは検討いただきたいと思う。
最後にもう1点、中間貯蔵施設の問題で、候補地の問題が今日の新聞でもいろいろ報道されているが、今日の新聞報道を読むと、杉本知事は、というか県は、候補地を提示してもらえればそれでいいのだと。そこで決まるかどうかは問わないと。とにかく提示してもらえれば議論を進めると、こういう報道があったのだが、これは杉本知事のお考えか。
◯知 事 私どもは、関西電力から今年中に中間貯蔵施設の計画地点についての提示があるというふうに承知をしている。
◯佐藤委員 だから、場所が、例えばむつ市の施設なら施設ということで提示があれば、そこに決まるかどうかは問題ではないというお考えなのかということである。
◯知 事 それは、関西電力がどういう報告をしてくるかによるということだと思っている。
◯佐藤委員 時間が来たので終わる。