物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

祝・芥川賞『乳と卵』

2008年03月16日 | Weblog
 いつものランニングコースを少し外れて工芸高校の方へまわると校庭のフェンスに横断幕がかけてあった。「祝芥川賞受賞川上未映子」と書いてある。そうか、川上未映子って工芸高校出身やったんか。私の地元の友人も工芸高校へ行った者が何人かいる。学祭へも遊びに行ったりしていたが、当時から自由闊達な雰囲気で個性的な学生が多かった。芥川賞を受賞するという稀有な才能もそうした校風から育まれたのかもしれない。
 早速受賞作「乳と卵」を買って読んだ。不思議な小説である。作者の言いたいことや主題が今一つ分からない。文体も句点がやけに少なく、読点でひたすら文章をつないでいく形である。知性のあまり高くない女の子の独白といった感じで小説全体からチープな雰囲気が漂う。ただ読む進めていくうちに文章からリズムや旋律的なものを感じる。それを先日のガチンコ情報交換会で話すと、「川上未映子ってもともと歌手なんですよ。」知らなかった!なるほど、音楽や歌を生業としている人の内面から紡ぎだされた文章だから、知らず知らずああいった雰囲気をまとっているのかも。
 美人で、歌手で、文才もある。そんな才能が地元から出てきたというのは何とも嬉しいものである。色々と経験豊富で“引き出し”も多そうだ。次作もできれば読んでみよう。
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