随筆 上方落語 四天王の継承者たち | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
☆☆☆☆
上方落語四天王の継承者たちと、興味あるタイトルで今年の6月の新刊ながら、
十五年前からの過去の随筆をまとめたもので、選ばれた落語家さんは、
枝雀、仁鶴、春蝶、ざこば、小米、南光、松葉、千朝、吉朝、喜丸の十名。
ただ、既に半数の方が他界、四天王の継承者たちと言いながら
生の高座が聴けないのが残念。
この中で、松葉さん、吉朝さん、喜丸さんの三方は私が丁度落語から離れていた時代で、
本を読めば読むほど、生の落語に接してないのが悔やまれる。
仁鶴と枝雀の落語は、初代春団治につながると、「うまさ」と「面白さ」を兼ね備え、
仁鶴さんのスピードと合間のツッコミは、春団治似であると。
興味深いところでは、「池田の猪買い」は、米朝から、仁鶴、枝雀が一緒に並んで教わった演目であると。
米朝は、五代目松鶴よりただ一人この噺を伝承されたもので、名作でありながら、案外広がっていないのは、こういうところにもと・・・・・納得。
今、枝雀さんや松葉さん、吉朝さんらが居られたら、
この上方落語もどのようになっていたのか、
上方の落語家さんも現在250名を超え、次の時代の継承者たちへと。
枝雀は雀々、仁鶴は文華、南光は南天、松葉は鶴二、吉朝は吉坊、遊喬、文三、宗助、千朝、梅団治さんと、
一門も年代もバラバラの、今お気に入りの噺家さん達なんですが。
次の名人に出会う為のは、落語というのが生の空気の共有化が基本にある限り、
その時代、そのときに会う、一期一会の出会いに期待して、
多くの落語家さんの多くの噺を聴きに、足を運ばねば・・・・でおます。
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