◇『暗転』 著者:堂場 瞬一 2012.6 朝日新聞出版 刊
物語の軸は7年前(2005.4)にあったJR宝塚線転覆脱線事故を思わせる某私鉄の列車脱線転覆事故。
被害者となった新聞記者の辰巳、被害者の婚約者滝本、私鉄会社広報担当御手洗、応援捜査の警官
高石など関係者それぞれが交錯し、それぞれの悲しみと苦しみと怒りと組織の過酷さが語られる。
そのうち事故の真相をめぐり隠ぺい疑惑が浮かび、私鉄の広報担当社員御手洗は社会正義の実現か
会社のために心をまげるか深刻な葛藤を経て、ついに辞職を覚悟し会社上層部の隠蔽工作を明らかに
する。この間それぞれの苦悩や怒りなどを縷々書いているが、要は内部告発の重要性を書きたかったの
だと思うものの、全体としていまひとつ展開に盛り上がりを欠き、「渾身のノンストップサスペンス」(帯の
コメント)にしては何ともあきたらない。
やや期待外れ。
(以上この項終わり)
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