◇ 『東 恵美の女性像』を臨画
clester F6
いつもは静物画がほとんどの水彩画教室。たまに教室外で風景など写生もするが、
人物画を描くことはほとんどない。自画像でも描こうかという話も出たが、何となく気
恥かしいので、孫など身内の写真を題材に描くか、著名な画家の人物画を臨画しよ
うということになった。
私は女子美大出身の東恵美さんが描いた女性の絵を臨画した(題名不詳)。
絵の世界では今でも模写という作業を臨画ということがある。明治期に洋画を学び
始めた頃、お手本になる絵を前に忠実にこれを移す作業は臨画といった。その道の
大家の絵をお手本に絵を描く。そして描く手順・技法などを自然に会得する。職人の
世界と同じである。臨画を続けるうちの何となく会得するのである。「摸写」は確かに
行為としてはその通りであるが、コピーという言葉を思い浮かべると抵抗感が起きる。
先人に学ぶという姿勢が感じられない。そこで私は未だに臨画という。書道にも臨書
という言葉がある。小さい頃の習字はまさに臨書の連続であった。独自の書法など
はその上にたてられたのである。
というわけで、東恵美さんの絵を臨画したのであるが、この画家の画風はかなり奔
放である。あまり細部に捉われない。雰囲気を捉えて一気に仕上げたのではないだ
ろうか。
カジュアルというかアウトドアスタイルの姿の若い女性の、知的ではあるがちょっと
小生意気な感じの姿が巧みにとらえていると思う。
臨画とはいうものの、手足の配置など構図はともかく、絵の印象を決定づける顔の
表現となると全くお手上げ状態になる。目は口ほどにものを言う例え通り、最後に丁
寧に手がけるのであるが、お手本通りに仕上げるのはなかなか難しい。
それに下半身のボリュームに比べ、顔が少々小さいのではないかというのは途中
で気が付いたこと。後の祭り。また挑戦します。
(以上この項終わり)
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