リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

懐かしの写真

2006年09月30日 17時30分36秒 | 音楽系
先月ギターのグロンドーナのマスタークラスで通訳をしましたが、そのときお会いしたWさんをふと思い出して昔の写真をひっくり返してみました。彼は74年頃静岡県御殿場市で行われた、古楽器の講習会で私に会ったことがある、おっしゃってたんですが、どうも私は彼のことを思い出せませんでした。京都のギターの先生であるSさんといっしょに来ていたとはおっしゃるんですが、S先生は思い出しても彼のことは出てきません。うーん、きれいな女性ならきっと覚えてたんでしょうけど。

写真は意外とすんなりと出てきました。別にきちんと整理してあるわけではありませんが、昔の写真が入っている袋を見当つけて、その中の束になっている写真とネガにねらいを定めたら、2回目のトライで当たりました。

いやー懐かしいかったですね。件の講習会から数年もせず無くなったミヒャエル・シェーファーが講師で、私が受講中の写真も何枚かありました。通訳できていたつのだたかしさんも随分若々しい。写真には74年とありましたのでもう30年以上前ですね。

で、Wさんを探さないといけません。何枚か集合写真がありましたので、それに写っている一人一人を追っかけていき、グロンドーナのときにあったWさんの印象でよく似た方は・・・・っと、いました。うーむ、なんとなくお話をしたことがあったような・・・Wさんは、私と話をしたっておっしゃってましたが、私の方はボーっとしていたせいか、記憶に残っていません。昔の写真を見たら、あー、この人か、思い出した!ってなるのを期待してたんですが、残念でした。Wさん、ごめんなさい。

この古楽講習会の2年前には、同じ場所で一般に公開された講習会では日本で初めての古楽講習会がありました。ただそのときはリュートのコースはなかったんですが、無理矢理ヴィオラ・ダ・ガンバの大橋敏成先生のクラスにもぐり込ませてもらいました。このあたりの話は、前のブログ「バーゼルの風」に書きました。

74年のミヒャエル・シェーファーのコースは多分日本で初めての本格的なリュートコースだったと思います。当時はギターをやってた人がリュートに移るというケースがほとんどでしたので、当時最盛期のギター人口をバックに、多くの人が受講されたという感じでした。今年のホピーのコースと人数的には変わらないくらいです。当時の熱気を感じさせます。でも受講生のレベルを見るとこれは隔世の感があります。まだリュートをどうひいたらいいのかわからない人ばかりだったし、楽器もまともなものはごく一部でした。

最近は随分上手な人も増えてきましたし、楽器も当時とは考えられないくらいいいものが手に入るようになりましたし。やはり30年も経つと何もかも状況が変わってしまうんですね。あと30年後は如何に?