リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

またもや新発見!!

2006年09月01日 21時52分15秒 | 音楽系
また出てきました。バッハの自筆譜です。こんどは最古の手書き譜で、13歳のころに写筆したブクステフーデのオルガン曲の由。

一昨年の新発見リュート作品(エイプリフルールのネタですよ(笑))以来、なんか最近よくバッハの新発見資料が出てきますね。もっとどんどん出てこないかなって思うのは人情でしょうけど、研究され尽くされている(まだ足りないといえば足りないでしょうけど)バッハだけに、そうそうは出てこないでしょう。

バッハの残した楽譜はたしかフリーデマンに託されたものが散逸してしまったらしいですが、それがどこかからどっと出てくるなんてことはもうないでしょうね。それよりも当時超有名とは言えなかったバッハの作品がこれだけ残っただけでもよしとしないといけないでしょうね。

当時バッハより有名だったらしい人気オペラ作曲家ハッセなんかほとんどの作品は失われたというし、我らがヴァイスもソロ曲以外の作品は残っていません。バッハが結構作品が残っているのは、多分メンデルスゾーンの頃に再評価が始まり、研究がスタートしたからでしょう。ハッセにしてもヴァイスにしても知られるようになるのは20世紀後半ですから、ちょっと遅すぎました。

ハッセにしてもヴァイスにしても自分の意志で作品が伝わらないようにした訳ではありませんでしたが、なんとハンガリーの大家バクファルク(16世紀)は死ぬ前に自分の作品を全て火にくべてしまったそうです。バクファルクは当時は超大家でその名はヨーロッパ中に響き渡っていました。現在でもハンガリーでは彼は国民的有名作曲家の一人だそうです。(ってハンガリーの人から聞いたことがあります。その方に会ったとき、出身がハンガリーだと知って、「じゃ、バクファルクって知ってる?」って聞いたら、逆に「(日本人の)あなたが何で彼の名を知ってるの?」って逆に驚かれてしまいました)

でもバクファルクは有名すぎて、ヨーロッパ各地にある彼の作品までは消滅させることはできませんでした。おかげで1冊の本になるくらいは作品が残っています。でも全て残っていたらすごいことになるでしょうねぇ。新発見、バクファルクの作品!燃えカスが実は残っていて・・・来年のエイプリフルールのネタには、ちょっとオソマツでした。(笑)