リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

サンマルコでのコンサート

2006年09月04日 10時16分14秒 | 音楽系
昨夜は四日市のレストラン・サンマルコでのコンサートでした。サンマルコさんとはもう随分前からのおつきあいです。10数年前、お店が現在の四日市駅西に移る前、まだ市民文化会館の前にあったころ、はじめてコンサートをさせていただきました。

サンマルコでのコンサートはソロが多いですが、リコーダー、チェンバロと一緒に演奏したこともありました。今回はちょっと変則的で、声楽のAさんとBさんと「ジョイント」ということになりました。実はこの話急遽決まったもので、本当は声楽の方たちの伴奏ができるとよかったんですが、時間が取れず、前半をリュート、後半を歌のコンサートという形にしました。

コンサートはいつも2部形式です。それぞれ、30分程度のものを30分から1時間くらいの間をはさんで行います。お客さんは食事をしながら音楽を楽しむわけですが、奏者の前を配膳台が通ったりいくらかのノイズが入るのはいたしかたありません。

リュートの場合は、音が小さいのでこういった日常生活的には特に問題にならないような音でも音楽を遮ってしまいます。こんなときに役立つのが例のPAシステムです。2年前にここでコンサートを行ったときにはじめてそれを使いました。そのときはこの機器開発に携わったUさんにもお越しいただき、セッティングのお助けをしてもらいましたが、今回は自前の機材でずっとコンパクトなものにしたので、セッティングは瞬く間にできました。スピーカー以外の機材を32cmx16cmx16cmの箱に詰め込んだので、スピーカーと結線してあとは電源を入れるだけです。

今回は「リュートのための愛の歌」というタイトルで、中世末期からルネサンス後期にかけての音楽プラス自作の小品を演奏しました。新しい楽器(モーリス・オッティガー作)を使ってのはじめてのコンサートですが、楽器はよくなっていました。8月7日にはじめて音出しをした楽器とは思えないほどです。この楽器とPAシステムのおかげで自然な感じの音がレストランの隅々まで行き届いたと思います。こういう環境ノイズの多い場所での演奏には、PAシステムは必須です。

この富士通テンの機材によるシステムは優れもので、PAを使っているということがほとんどわからないくらい自然な音が出ます。スピーカーから音が出ると言うよりは、リュートのボディーから少しいつもよりは大きめの音が出ているという感じです。6月の扶桑町でのコンサートも同じPAを使いましたが、終演後お客さんがいろいろ楽器や楽譜を見に、ステージのところにやってきました。いろいろ質問をしたあと、ふと演奏した椅子の横にあるスピーカーをさして、「ところでこれって何ですか?何かのかざりですか?」って質問されました。実はこれはPAだって言ったら、大変驚いていました。まさかここからも音が出ていたとは思わなかったんでしょうね。

来週の日曜日には、昨夜のプログラムに何曲かを付け加え、パワーポイントによるレクチャーも含めたコンサートを名古屋市北区大曽根のミューズで行います。お時間のある方はぜひお越しください。