リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

1フレットを合成樹脂フレットに

2023年08月11日 13時39分33秒 | 音楽系
ルーデス・モレノ・ウンシージャ1994年作のリウト・ア・ティオルバートの1フレットにアキラ製合成樹脂フレットを巻いてみました。どのリュートも1フレットは緩くなりがちです。これはフレットをよりナット側で巻いておいて本来の位置まで引き下げる距離があまり取れないためですが、テオルボタイプの楽器は特に距離が取れません。

このルーデスの楽器の場合はほぼゼロなので、フレットの位置で締め上げなければなりませんが、これがなかなか難しく緩んでくると爪楊枝をバス側に挟んだりしていました。

バロックリュートの9フレットに合成樹脂フレットを使った記事を5月頃にエントリーしましたが、今回はそれを1フレット(1.10ミリ)に巻いてみました。合成樹脂フレットはよく伸びるのと表面の抵抗が大きいのでいけるかも、と思ったのです。(5月に思わんかいと突っ込まれそうですが)

5月のエントリーでは実はバロックの1フレットにも巻いてみてうまく行かなかったことも書きました。太い合成樹脂フレットは巻いて締めるのが難しいという結論でしたが、今回は締め方を少し変えたら案外かっちり締まりました。これで懸案のリウト・アティオルバートの1フレット問題はあっさり解決です。

1フレットはよく使うフレットだけに音がどうか気になりますが、全然問題はありません。バロックの9フレットも音の問題は全くありませんでしたし。