リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

AIは校歌を作れるのか?(1)

2023年08月25日 19時31分00秒 | 音楽系
桑名市の多度地区に新しく開設される公立小中一貫校「多度学園」の校歌がAIで制作されるそうです。

同地区の小学校と中学校が全てその新しい一貫校に統一されるらしいですが、その校歌をAIが提案してきた歌詞とメロディをみんなで検討して作り上げていくとのことです。キャッチフレーズは「超校歌~AIがつくるみんなの校歌~」

うたい文句は:
テクノロジーが急激に発展し、価値観も多様化した令和の時代において、子供たちが今聴きたい歌、歌いたい校歌は何か、価値観が多様化する時代にふさわしい進化する校歌のあり方をAI技術を用いて検討。「人間とAIが共創する」ことをコンセプトに、AI校歌生成プログラムを使って地域や子供たちに愛される校歌の作成に取り組む。
です。

耳あたりのいいことばが乱舞していますが、少し冷静に検討してみましょう。

AIによる「作曲ツール」を調べてみますと、現状はまだどれもとてもレベルが低いものが大半です。すでに商用ベースになっているSOUNDRAWで作られる楽曲もせいぜいYouTube番組のBGMならなんとかというレベルです。音楽単体でみればつまらない音楽ばかりです。それにこのサイトの楽曲はできあがったものをMIDIとかSTEMで出力できません。それができたら、サイトでできあがったものを手直していく、つまり作曲の基礎部部分をAIが担うツールとして活用はできそうですが。

DeepBachというのもあります。


バッハのコラール風の曲をDeepBachが作ったものです。こちらはとてもよく出来ていると思いますが、残念ながら明らかにおかしなハーモニーがあります。(3小節目のテナーの冒頭の音がBなのは不自然です。平行8度もありますし。バッハはそんなヘマはしません。9小節目、テナーの4拍目がEsのままというのもおかしいですね)