Duel of the Fates (運命の闘い)のチェロアンサンブル編曲はいろいろ条件がありました。依頼者のジム先生から言われているのは、まず難しくなりすぎないこと、次にパートは4ないし5パート、それから長さも3分くらい。
もともとフルオーケストラに合唱が入った大編成の作品をたった4ないし5パートに落とし込むのは至難の業みたいですが、そこは割り切ることにしましょう。
オリジナル曲全体をそのままアレンジすると5分は超えると思いますが、それを3分にするためにどこをどうカットしてつないで行くのもなかなか工夫が要ります。
今は便利な世の中で You Tube でオリジナルのサントラやピアノ編曲を聞くことができます。今回はピアノ版を聞きながら編曲していくことにしました。いくつかの短い単位のフレーズを聴いてそれを4つのチェロパートに落とし込んで記譜していくというのを繰り返していきます。もちろん単にフレーズを書いて行くだけではだめで、全体のバランスやチェロの音域を考慮しながら書いていくのは言うまでもありません。同時に全体を聴いて削除する分の目安をつけておきます。
使ったコンピュータはOneMix4Sという10インチのいわゆるUMPC。小さいのでとても作業効率は悪いですが、ストックホルムのホテルの一室で作業をするということで致し方ありません。
難しくなりすぎない編曲をするに当たってはまず何調にするかがとても重要です。オリジナルはホ短調ですが、チェロの場合は割と都合のいい調ですので原調と同じホ短調で行くことにしました。
この曲のハーモニーは実はとてもシンプルで繰り返しのパターンが多いので、Sibeliusで記譜していくときにコピペを多用することができて作業がはかどりました。
オリジナルでは何度も転調していますが、3分にまとめるためと難易度を下げるために転調は1回だけにしました。転調して盛り上がったところから原調に戻って同じパターンで盛り上がってそこに短いコーダをつけたらちょうど3分に収まりましたのでこれで完成としました。
できあがったアレンジは以下のリンクでお聴き下さい。
YouTubeで元の合唱付きオーケストラの演奏をもう一度聴き直してから、先生のアレンジ版を聴きました。
原曲は(映画の場面との関連もあるとは思いますが)何度も聴いてると「くどいな〜」ってつい頭の中でツッコんでしまうのですが、アレンジ版の方はチェロのみでの演奏という音色の変化が望めない分、冗長な繰り返しを整理して3分というポップミュージックの王道(?)にまとめ上げた手腕はさすがですワン🐶
わんこの分際で、的外れで生意気なこと言ってごめんなワン(´ω`)\
> すごいですね〜!... の付け足しですワン🐶
実際のチェロアンサンブルのダイナミックレンジでどんな響きになるのかあまり想像できませんが、ぜひ聴いてみたいですワン💕🐶