岩村田高校の卒業式の続きです。
式も終盤に向かいます。在校生の送辞も卒業生の答辞もすばらしいスピーチです。今が旬の人たちの感性は違うわ、と納得です。
そして保護者代表のご挨拶です。お名前を聞いた時、「うーん、どこかできいた名前」と思ったとたんに思い出しました。
昨年の文化祭の折、PТAの皆さんが野菜を山ほど積み上げて販売していました。
お義理にでも買わなくちゃあと選んでいました。その時の会話の声でお互いが気がついたのでした。
「あれれ、お子さんこちらでした?」から始まって、「私は卒業式に保護者代表の挨拶をする役です」と。それはそれはと思っていたのですが、この役目入学式の日に決まってしまうのだそうで・・・・・3年間ずっと頭にあるのは気が重かったことでしょぅね。
でも考えようによっては、お子さんと共に3年間を濃く過ごされたのではなかったでしょうか。
ご挨拶が終わった瞬間、来賓席の隣の方が「あの原稿がほしい」とつぶやきました。「本当に欲しいよね」とその隣の方も。
「私お願いして見ます」となった次第です。
すばらしいスピーチでした。その中に込められたメッセージが心を打ったのでした。
このメッセージを多くの子供たちに伝えたいと心から思ったのでした。
そして強引に原稿をいただき、このブログに掲載させていただくことにしました。
以下そのご挨拶です。
謝 辞
卒業生の保護者を代表し一言お礼を述べさせていただきます。本日は、我々の子供たちに、このように盛大な卒業式を開いて戴き、誠に有難うございました。卒業生の皆さん、三年間よく頑張りました。心からおめでとうの言葉を贈ります。
校長先生をはじめ、諸先生方のたゆみないご尽力、又、来賓の方々のご厚意なくしては、この日をこうして迎える事は出来ませんでした。何とお礼を申し上げてよいか分かりません。
卒業を迎えるこの日、私達の息子、私達の娘が思い描く未来は、親にしてみれば、もう、手の届かない空の彼方にあります。見上げながら羽づくろいをするもの、翼を広げて羽ばたいてみるもの、まだ生えそろわぬかと首を傾げているものなど、何れも羽の心配や調整に余念がありません。
飛んだことのない空や、とび込んだことのない水の深さ、怖さ、風を読むこと、共に飛ぶためスピードを落とすことも、飛ぶ前の若鳥たちは、きっと、すでに思い描く力を持っています。
就職や受験という括りで見えづらくても、卒業生の皆さん、皆さんが高校生活を通じて先生方に戴いたのはおそらく、この思い描く力です。人生の中でその力がやがて実を結び、力を授かった幸せを、いつか思い出すこともあるでしょう。
三年間に、子供たちは多くの友人と出会い、又何人かとの別れを経験しました。言葉にできぬ様々を乗り越えて、とうとう三年間、学びきり、先生方からの、この恩恵を被ることができたのは何と有難いことでしょう。
卒業生の皆さん、あなた方が生まれてからずっと知らずに受け取ってきた贈り物が三つ有ると思います。一つは今の、思い描くことの自由、そして仲間と分かち合う生活、それと健康。この三つをどうか財産にしてください。
飛ぶ力を持っているかいないかを悩むのでなく、三つの贈り物に対して、いつも開かれている、そういう心を持っていてください。そうであれば、一人でがんばるときにも一人ではありません。努力にふさわしい結果が出ないときにも、しっかり目を開いて再び歩き出すことができるでしょう。そして、喜びは自分一人のものでなく、人と分かち合えるものになるでしょう。
長い人生には自由や健康を失うこともあるかもしれません。その時は最後の一つ、仲間の手を離さないでください。あなたの命は、あなた一人のものでは、ありません。
どうか、子供たちの未来に良い出会いが続きますように。
最後に、もう一度、心の育つ仕上げの時期を大切に寄り添ってくださった先生方に、心からの感謝と尊敬を捧げます。ありがとうございました。
平成二十五年三月二日
保護者代表
佐々木 恵理子
これから旅立とうとする総ての子供たちに、このメッセージが届けばと思います。
佐々木さん本当にありがとうございました。
本当に心打つ感動のスピーチでした。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家
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