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バングラディシュからのメール

2010年07月28日 | 仕事・研究
(カテゴリー:仕事・研究という話でもないんですが、ちょっと関係するところもあるので、一応)

私がアメリカの農務省で働いていたころ、隣のラボにいたマットさんは、アパートも一緒で、奥様にうちの子供の面倒を見てもらっていたこともあり、大変お世話になった方です。隣のラボはDrリリホイという韓国人のバリバリ女性キャリアが運営されていて、鳥が専門のラボでした。マットさんはリリホイラボの前はカナダにいたりスイスにいたり、とにかくインターナショナルな人で、農務省の後はケニアに行かれ、その後は一度帰国してOIE(国際獣疫局)の東京事務所にお勤めでした。つい先日FAOに移られ、そして今はバングラディシュに赴任されて、鳥インフルエンザの封じ込めのためにまい進されています。

(ああ前置きが長くなった。でもこれでも経歴を全部書いたわけじゃありませんからね)

さて、マットさんからのメールは、バングラディシュ便りでしたが、体調を崩されて、パリまで受診に行ったということが書かれていました。行ってみたらたいして問題はなく、無事にまたバングラディシュに戻られたようです。医者にかかるのにヨーロッパまで行くという、それだけ聞いてもすごいですが、パリでは古い知人に会えて大変楽しかったとかで、写真もいろいろ楽しく、私もほっとしました。

マットさんの記事はサイエンスにも載っています。
SCIENCE VOL 328,553, 30APRIL 2010

マットさんはじめ、わたしがアメリカで出会った日本人の中には、国際機関で働いている方が何人もいます。しかしその一人一人が、大変な困難を乗り越えてそこにいるのは間違いありません。マットさんの今度のバングラディシュも治安の危険からほかに行く人がないというのを「だからこそ自分が行く」といって行かれたのですが、これまでだってさまざまな困難やご苦労がありました(私が知っているのはほんの一部ですが)。そのタフさはやはりただものではありません。しかしものすごく楽観的にほがらかに楽しんで苦労されているのもほんとです。自由な心で何物にも縛られず、自分の信念に従って生きていて、エネルギーにあふれているのですよ。

わたしはここのところ大変忙しくて日々きりきりしていたのですが、昨日のマットさんのメールを見て、はた、と気が付きました。これはいけないと。

それから、昨日は偶然、本棚にあるカナダのプリンスエドワード島の写真集を手に取って眺めていたら(15年位前に一度訪ねたことがある島です)、急にいろんなことを思い出しました。アメリカで見た紅葉、ハロウィンの用意、クリスマスにはもみの木を買って、春はしんと静まり返った桜並木を歩いて、休みのたびに旅に出て。でも実験もねえ、今の100倍くらいやってたような。そんなことをいっぺんに思い出して、言われてるような気がしました。

「いちばん大切にしなきゃいけないものはなんですか」
「今やってることはほんとに大事なことですか」

私は日本が大好きです。
だから戻ってきたんだけれど、やっぱり埋没しちゃいけません。
ほんとに大事にすることはなんなのか、それを忘れないようにしたいです。







コメント
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