今回もお祭りの露店の話である。
子供のころはヒマだし、お祭りが始まる前からうきうきしていたから、まだ明るいうちから露店が設営されるのを見ていた。
ヤドカリを売る露店が設営されるのを見ていたら、そこのおじさんが「ヤドカリを一匹あげるから、水を汲んできてくれ」という。
私はヤドカリ欲しさに、遠くの井戸までバケツで水を汲みに行き、何往復もした。子供にとっては、かなりのきつい労働だった。
水汲みが終わったら、そのおじさんは知らん顔なのである。ヤドカリをくれると言ったのはウソだったのか?
まるで私なぞいないかのように、おじさんは設営を続けていた。私は抗議することができなかった。
一匹のヤドカリをケチる大人がいる。無償で子供に労働させる奴がいる。私はこのとき、世の理不尽ということを学んだ。
子供のころはヒマだし、お祭りが始まる前からうきうきしていたから、まだ明るいうちから露店が設営されるのを見ていた。
ヤドカリを売る露店が設営されるのを見ていたら、そこのおじさんが「ヤドカリを一匹あげるから、水を汲んできてくれ」という。
私はヤドカリ欲しさに、遠くの井戸までバケツで水を汲みに行き、何往復もした。子供にとっては、かなりのきつい労働だった。
水汲みが終わったら、そのおじさんは知らん顔なのである。ヤドカリをくれると言ったのはウソだったのか?
まるで私なぞいないかのように、おじさんは設営を続けていた。私は抗議することができなかった。
一匹のヤドカリをケチる大人がいる。無償で子供に労働させる奴がいる。私はこのとき、世の理不尽ということを学んだ。