俳句をはじめて20年になる。下手の横好きで、才能がないから20年たっても上達しない。ただ、俳句を見る目だけは肥えてしまった。
話は飛ぶが、数年前、戦時中の雑誌「旅」が復刻されたので購入した。そこに読者の俳句欄があって、興味深かった。
選の上位に入る句は、みな戦争と関係があるのだ。
兵隊の体操が凛々しいとか、兵器工場の炎が勇ましいとか、そんな句が一席、二席に入っている。今読むと、なんにも面白くない。時事の句が後々まで残らないということを痛感した。
ところがホトトギスは、時事を徹底的に拒んだ。どんなに戦争が激しくても、蝶や花を詠んだ。だから古くならない。ホトトギスの花鳥諷詠という哲学は、一定の批判はあるけれども、一目を置かざるをえない。
戦後、「ホトトギスはこのたびの戦争で、どのような影響を受けましたか?」というインタビューを虚子は受けた。
虚子の答えは「何の影響も受けなかった」であった。
話は飛ぶが、数年前、戦時中の雑誌「旅」が復刻されたので購入した。そこに読者の俳句欄があって、興味深かった。
選の上位に入る句は、みな戦争と関係があるのだ。
兵隊の体操が凛々しいとか、兵器工場の炎が勇ましいとか、そんな句が一席、二席に入っている。今読むと、なんにも面白くない。時事の句が後々まで残らないということを痛感した。
ところがホトトギスは、時事を徹底的に拒んだ。どんなに戦争が激しくても、蝶や花を詠んだ。だから古くならない。ホトトギスの花鳥諷詠という哲学は、一定の批判はあるけれども、一目を置かざるをえない。
戦後、「ホトトギスはこのたびの戦争で、どのような影響を受けましたか?」というインタビューを虚子は受けた。
虚子の答えは「何の影響も受けなかった」であった。