院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

コンピュータ信仰

2007-10-12 13:16:27 | Weblog
 介護保険が普及してきた。利用者の延びのため財源をどうするか問題になっている。

 介護度の等級はコンピュータで一時判定を行う。コンピュータで計算するのだもの、統計学的な処理が加えられたり、補正が行われたり、とにかく人手では無理な複雑な計算をするものと思い込んでいた。そのプログラムは将棋やチェスのプログラム並に複雑なのだろうと考えていた。

 私は介護保険審査委員である。そのため、プログラムのアルゴリズム(計算手順)を見る機会があった。そこで仰天した。ものすごく簡単なプログラムなのである。

 調査員が調査した数十項目に重み付けをして、足し算するだけである。それなら電卓で足りる。パソコン好きな子なら小学生でも作れるようなプログラムである。

 役所は「コンピュータではじきだした結果ですから」と、クレームから逃れるために電卓でできる仕事をコンピュータに乗せたのではないかと勘ぐりたくもなる。

 庶民のコンピュータ信仰に乗じて、あのようなお粗末なプログラムで知らん顔をしているのではなかろうか。いや、役所の人自身、大半がアルゴリズムを見る目がないので、困るのである。