学位でもっともやさしいのが医学博士だと言われている。そうかもしれない。医学部を出てから4年間、大学院で学んで論文を書けば医学博士になれる。これが最速の学位取得の方法で、28歳で博士になれる。
もう一つは、論文博士という学位で、医学部卒業後6年以上の経験があれば、論文を教授会に提出して合格すれば医学博士となる。私は論文博士である。でも、大学院出の博士と論文博士に待遇の差や権能の違いはない。
いつも問題になるのは、教授会に論文を提出するときには指導教授を介さなければならないというと部分ある。たとえば僻地の病院に人事異動しなければ、教授が教授会への論文提出の労をとってくれないということがありうる。その点で、教授は人事権を握っていたのである。
学生運動がさかんなころ、若い医者が教授に将棋の駒のように異動させられることを嫌って、学位返上運動が行われたことがあったが、じきに沙汰止みとなった。
現在、僻地から医者がいなくなったと言われているが、じつは僻地へ医者を供給していたシステムの一部を「教授人事」は担っていたのである。「学位をやるから、1年だけ僻地へ行ってきてくれ。戻ったら厚遇するから」という遣り取りが暗黙裡に行われ、僻地医療を支えてきたことは、まぎれもない事実である。
もう一つは、論文博士という学位で、医学部卒業後6年以上の経験があれば、論文を教授会に提出して合格すれば医学博士となる。私は論文博士である。でも、大学院出の博士と論文博士に待遇の差や権能の違いはない。
いつも問題になるのは、教授会に論文を提出するときには指導教授を介さなければならないというと部分ある。たとえば僻地の病院に人事異動しなければ、教授が教授会への論文提出の労をとってくれないということがありうる。その点で、教授は人事権を握っていたのである。
学生運動がさかんなころ、若い医者が教授に将棋の駒のように異動させられることを嫌って、学位返上運動が行われたことがあったが、じきに沙汰止みとなった。
現在、僻地から医者がいなくなったと言われているが、じつは僻地へ医者を供給していたシステムの一部を「教授人事」は担っていたのである。「学位をやるから、1年だけ僻地へ行ってきてくれ。戻ったら厚遇するから」という遣り取りが暗黙裡に行われ、僻地医療を支えてきたことは、まぎれもない事実である。