院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

医学博士号の裏話その2

2007-12-13 08:36:08 | Weblog
 学位論文があまりに稚拙で、どこの学術誌からも掲載を拒否されたらどうするのか?

 じつは、どこの大学でも大学医学会というのがあって、そこで「学術誌」を出している。ただし、その「学術誌」にはジャッジがいない。そもそも、あらゆる科の論文が載っている雑誌なんて、学術誌の体をなしていない。だから、だれも読まない。

 そういう具合だから、だれでもこの「学術誌」に掲載することができる。ジャッジはいないと言ったけれども、いうなれば指導教授がジャッジであり、彼がOKすれば載せることができる。(学位が目的でなければ、自費出版なのだから、お金さえ払えば自由に論文を活字にすることができる)。

 自費出版の雑誌であっても、学位審査にかけるには1000部以上発行されている雑誌でなくてはならない。でも、そんな雑誌を有料で買う人はいないから、ぜんぶ自費で出す。だから、この「学術誌」に載せるために100万円以上かかる。校正も自分でやらなくてはならない。

 この雑誌に乗ったら教授会の審査を受けることができる。要するに全部、お金で片付くのである。

 教授会のメンバーは自分の科以外については素人だから、指導教授がOKを出した論文にケチを付けたり、まして却下なぞできるはずもない。こうして、めでたく学位が授与されるのである。

 すべてお金で片付くのは医学博士号くらいのものだろう。だから医学博士号は一番蔑まれているのである。