院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

カダフィ殺害される?

2011-10-23 08:09:29 | Weblog
 2011-08-13 のこのブログの記事で「カダフィの勝ちはもうすぐ」と予想したけれども、反政府軍に放送局を占拠されたりして、2011-08-23 の記事では訂正した。その代わりに、カダフィが消えても内戦になるだろうと予想した。

 最近の報道によると、カダフィは殺害されたようである。「大将」を失うと軍隊はバラバラになるというのは古今東西を問わない。これで反政府軍の勝ちは確実だろう。

 ただし、各メディアも予想しているとおり、反政府勢力は一本化できないだろう。

 今回、NATOがカダフィの車列を爆撃したと言うけれども、NATOと一言で言っても、実際のところフランスだけだろう。そこにアメリカが荷担したことは、クリントン国務長官がリビアを電撃訪問したことから容易に想像がつく。

 イギリスは爆撃に加わったかどうか怪しい。と言うのは、英国空軍はあまりヤル気がなかっただろうと考えるからである。ブレア時代にイギリスは、石油欲しさにカダフィに頭を下げた。イギリスが今回だけ強気に転じたというのは、本来なら考えにくいのだが、真相は分からない。

 新政府が欧米列強の傀儡となることは、誰にでも分かる。しかし、新政府は一枚岩にはなれず、列強は当分のあいだ手を焼くに違いない。2011-08-23 に予想したとおり、内戦になるだろう。

 エジプトは、もう新政府が民衆から敵対視され始めている。だから、エジプトの新政府も今後倒れるかもしれない。そのことは 2011-08-27 の記事でも指摘しておいた。民衆というものは性急なのである。

 今はお祭り騒ぎのリビアも、新政府による改革がすぐにできなかったり、庶民の生活が前と変わらなかったら、庶民はすぐに蜂起するだろう。エジプトと違って、リビアの庶民は今度は武器を持っているから、よほど危険である。

 内戦か庶民の再蜂起か、いずれにせよリビアの混乱はすぐには収まらないだろう。そうすると、反政府勢力に大枚をつぎ込んだ列強は、石油という「蜜」を味わうことができない。そんなこと、列強が我慢するはずがない。

 と言うことは、次に考えられるのは、列強が地上軍を送ることである。アメリカはできるかもしれないが、イギリスやフランスにそれができるだろうか?英仏ができなければ、あとから出てきたアメリカの一人勝ちということになる。漁夫の利みたいだ。アメリカが最初から出てこられなかったのは、アラブ世界ではアメリカが一番嫌われているからである。

 もっとも損をするのは、今度も後進国リビアの民衆である。数世紀前、スペイン、ポルトガルが元気だったころの南米と同じような構図に、リビアは(エジプトやチュニジアも)なりはしまいか?何百年も繰り返されている北による南支配である。アフリカの飢餓も実はその延長線上にある。