院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

続・技術と芸術

2012-05-28 06:14:51 | 技術
 ミケランジェロやダ・ビンチは自らのことを芸術家とは考えていなかっただろう。ただひたすら美しく写実することだけを考えていたと思う。

 むかしの画家はみなそうだった。自分を写実の職人と考えていた。

 そんなときに写真が発明された。それによって、多くの画家が失業した。

 一部の画家は具象画、抽象画への道を選んだ。写実では写真にかなうわけがない。

 こうして絵画は芸術となった。絵画が進化したわけではなく、食い詰めてしぶしぶ他の道を選んだのだ。

 写真がまだ発明されていなかったころの、例えばモナリザを「神秘的な微笑み」なぞと持ち上げるのは、あと知恵である。

 写真が存在していたなら、ダ・ビンチほどの発明家がわざわざ手間のかかる写実画なぞ描くはずがないと思う。(写真のほうに跳び付いたはずだ。)