院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

わが国のマスコミがやっとギリシャ国民を批判

2012-05-30 05:12:27 | マスコミ
 私はこのブログで、何回にかわたってギリシャ国民の態度を批判してきた。すなわち、暴動による観光産業への妨害、ゼネストによる生産活動のサボタージュ、緊縮財政反対路線の政党を第一党とさせたことなどである。これらは財政破綻を促進させる行為である。

 わが国のマスコミは、こうしたギリシャ国民の「民意」をあまり批判しなかった。「民意」にマスコミは弱い。

 ところが、平成24年6月29日(月)(昨日)付けの中日新聞愛知県版一面のコラム「中日春秋」は、やっとギリシャ国民の「民意」を批判した。

 曰く「緊縮財政は拒否する。ユーロ圏には残りたい」では、ギリシャ国民は相反する希望を言っているようなものだ、と。さすがにこれ以上、ギリシャの「民意」を擁護しきれなくなったのだろう。

 実はフランスの「民意」も同じようなものである。緊縮財政のサルコジさんを大統領の座から引きずり降ろした。わが国のマスコミはまだこれを批判できない。フランスは財政破綻に一歩近づいたのだ。

 選挙で選ばれた議員は「民意」を「天の声」と呼ぶ。これは致し方ないが、故福田赳夫首相が「天の声にも、たまには変な声がある」とボヤいたことが思い出される。

 いつの時代も、どこの国でも「民意」は愚かである。