30年前、大型コンピュータを電機各社が競争のように造っていたころ、各社がコンピュータにつけた名称が面白かった。ほとんどダジャレなのである。
名称の末尾は「・・ック」というのが流行った。日本電気(NEC)は「ニアック」、日立は「ハイタック」。東芝にいたっては「トスバック」と笑えてしまうような命名だった。
ひとり富士通だけは「ファコム」で、ダジャレ度が低かった。富士通は唯一、部品を全部国産にするのにこだわった会社である。私の同期で優秀な連中が富士通に大量採用されたのも、この時代だった。会社としては大きな賭けだっただろう。むろん、応募した者にとっても。
彼らが切歯扼腕した結果として、今のスーパー・コンピュータ「京」(けい)がある。富士通は他社と違ってテレビや冷蔵庫などには手を出さなかった。コンピュータだけで商売になると分っていたかのごとくである。
「京」が最近、アメリカのスーパー・コンピュータに抜かれたという。今度は富士通が抜かす番である。あたかも五輪競技を見ているような感じがする。
名称の末尾は「・・ック」というのが流行った。日本電気(NEC)は「ニアック」、日立は「ハイタック」。東芝にいたっては「トスバック」と笑えてしまうような命名だった。
ひとり富士通だけは「ファコム」で、ダジャレ度が低かった。富士通は唯一、部品を全部国産にするのにこだわった会社である。私の同期で優秀な連中が富士通に大量採用されたのも、この時代だった。会社としては大きな賭けだっただろう。むろん、応募した者にとっても。
彼らが切歯扼腕した結果として、今のスーパー・コンピュータ「京」(けい)がある。富士通は他社と違ってテレビや冷蔵庫などには手を出さなかった。コンピュータだけで商売になると分っていたかのごとくである。
「京」が最近、アメリカのスーパー・コンピュータに抜かれたという。今度は富士通が抜かす番である。あたかも五輪競技を見ているような感じがする。