院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「大丈夫」の乱用

2012-07-30 05:59:00 | 日本語
 「試験、大丈夫ですか?」に「大丈夫です」と答える。これは普通である。

 「熱があるそうですが、大丈夫ですか?」に「単なる風邪なので大丈夫です」と答える。これも普通である。

 「切符、大丈夫ですか?」はどういう意味だろうか?これは、電車に乗っているようなシチュエーションでないと、よく意味が分からない。「切符をもってきたか?なくしていないか?」という意味になる。

 「お水、大丈夫ですか?」となると、ほとんど意味がわからない。これはレストランなどで、飲料水がなくなっていないか?という意味である。答えは「(水を)足してください」とか「要りません」となる。

 このように「大丈夫」が頻用されるようになってきた。若い女性に「大丈夫」をいつでも使用する人が多い。「大丈夫」は便利な言葉になった。「問題ないですか?」という意味に使われる。

 要は語彙の貧困なのだが、思いやりのイメージがある言葉なので、若い女性がよく使用するのだろう。

 もっとも「大丈夫」は本来「立派でたくましい男子」という意味で、今の用法とは別の使用のされ方をしていたのだが。