昔、患者さんの身の回りのことで、担当の女性保健師が私に面会したいと申し込んできた。患者さんのことなので面会を快諾した。
患者さんの身の回りの問題点は、すぐには解決できそうもないことばかりだったが、私も保健師と一緒になって知恵を絞った。むろん、都合の良い答えは出なかった。
そのとき、非常に気になったことがある。それは、保健師が初対面の最初から最後までマスクをしていたことだ。こちらからマスクを外してくれというのも憚られたので、とうとう保健師の顔が分からなかった。後味が悪かった。
そうしたら、しばらくしてまた同じ保健師から同じ問題について面会の希望があった。前回の面会以後、患者さんを巡って保健師が何か行動を起こしたかと訊ねると、なにも行動していないとのことだった。
何もやっていない保健師と面会だけしても時間の無駄だし、当方も忙しいので二度目の面会は断った。
だが、面会を断った理由の大きな点はもっと別のところにあった。それは、再び顔が分からない人と話をするのが、気味が悪かったからだ。彼女はまたマスクをしてくるだろう。マスクは強盗の目出し帽と同じである。
彼女が初対面でマスクさえ外してくれていたら、二度目も断らなかったかもしれない。
患者さんの身の回りの問題点は、すぐには解決できそうもないことばかりだったが、私も保健師と一緒になって知恵を絞った。むろん、都合の良い答えは出なかった。
そのとき、非常に気になったことがある。それは、保健師が初対面の最初から最後までマスクをしていたことだ。こちらからマスクを外してくれというのも憚られたので、とうとう保健師の顔が分からなかった。後味が悪かった。
そうしたら、しばらくしてまた同じ保健師から同じ問題について面会の希望があった。前回の面会以後、患者さんを巡って保健師が何か行動を起こしたかと訊ねると、なにも行動していないとのことだった。
何もやっていない保健師と面会だけしても時間の無駄だし、当方も忙しいので二度目の面会は断った。
だが、面会を断った理由の大きな点はもっと別のところにあった。それは、再び顔が分からない人と話をするのが、気味が悪かったからだ。彼女はまたマスクをしてくるだろう。マスクは強盗の目出し帽と同じである。
彼女が初対面でマスクさえ外してくれていたら、二度目も断らなかったかもしれない。