院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

おサルの電車

2012-09-10 00:04:11 | レジャー
 サルが運転手のように機関車の先頭に乗っている「おサルの電車」というのは、まだ遊園地にあるのだろうか?

 幼少のころ、おサルの電車に乗った。短い軌道を一周するだけのアトラクションだった。先頭に乗せられたサルは、首輪で繋がれて、運転装置のようなものを時折いじっていたけれども、子供の目にもそれはおざなりに見えた。

 サルはよそ見をしたり足で襟を掻いたりして、とても不真面目だった。だから、私にはおサルの電車はちっとも面白くなかった。

 おサルの電車を始めたのは東京の上野動物園である。戦争で猛獣が殺処分されて、戦後なにも呼びものがなかった動物園が、人寄せのためにおサルの電車を始めた。

 それが全国の遊園地に広まり、一時、おサルの電車は遊園地の代名詞だった。

 上野動物園はもうおサルの電車を廃止してしまった。動物愛護団体からの抗議があったからだという説もあるけれども、要するに人気がなくなったから止めたのだろう。

 サルを運転手に見立てて機関車の先頭に乗せれば、子供が喜ぶと考えたのだろうか?それは大人の浅知恵である。少なくとも幼い私には面白くなかった。「子供だまし」という言葉があるが、昔も今も、子供だましに喜ぶ子供はいない。子供はホンモノを好む。

 例えば白鳥型の足こぎボートでも、人間が漕がなくてはならないホンモノの装置だから、子供はことの他喜ぶのである。